NHKが2020年までに4.5%の値下げを実施! そのカラクリをひも解く

2018年11月、NHKが2020年までに4.5%ほど受信料を値下げすると発表した。最近では料金不払いの視聴者を訴えてまで料金を取り立てているNHKが、どうして値下げに踏み切るのか? ここではそのカラクリをひも解く!

2020年には地上契約で月35円の値下げ

(Image:DutchMen / Shutterstock.com)

 2018年11月27日、NHKは2020年までに受信料収入の4.5%を値下げすると発表した。値下げは2019年と2020年の2回に分けて実施する予定だ。
 今回の値下げは、まず消費税率が10%に引き上げられる2019年10月に、差額の2%分の料金引き上げを行わず実質2%の値下げとする。そのため受信料額の改定は行われない。次に、2020年10月には料金を改定して2.5%ほど値下げする。これにより地上契約で月35円、衛星契約で月60円(口座振替・クレカ継続払い・2か月払額時)値引きされる。
 つまり、この2回の値下げで2%+2.5%=4.5%(約328億円)ということになるそうだ。ちなみに、2回の値下げ分の割引額はトータルで地上契約で59円、衛星契約で102円(口座振替・クレカ継続払い・2か月払額時)となる。

 

■2020年10月以降のNHK受信料(2か月払額)

地上契約 1,224円(-35円)
(消費税10%移行時の据え置き分込で59円)

衛星契約 2,170円(-60円)
(消費税10%移行時の据え置き分込で102円)

※口座・クレジット払いの場合

24時間ネット配信を実現するために値下げ?

(Image:Shutterstock.com)

 今回、NHKが値下げに踏み切った理由は何であろうか? まず、2017年12月に最高裁判所がNHKの受信料制度を合憲と判断した判決によって、受信料の支払いが増加する見通しであること。事実、この判決以降にNHK受信料を自主的に納付するケースが増えており、
NHKの内部留保金は2018年度末に767億円に上る見込みなのだ。次に、2018年3月には、東京高裁がワンセグ付き携帯電話を持っているだけで、NHKの受信料支払い義務が発生するとの判決を出したため、今後はさらに受信料収入が増えると見込まれている。
 このような状況の中で、NHKは深刻なテレビ離れを懸念し、今後は24時間インターネット常時配信を推進するという。だが、このように肥大化するNHKの動きに民放が反発し、結果、総務省がNHKに値下げ要請をしていたという。それが今回の値下げにつながったと見られている。

文=

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