7月下旬に行われた「新型コロナウイルスのワクチン接種後に最もやりたいこと何ですか」という調査の結果が発表された。ランキングに並ぶやりたい項目に関してはもはや共感しかないが、よくよく見ると「それって今まで普通にやってたことだよね」と思ってしまうのも事実。ワクチン接種を終えても晴れない、複雑な心情が明らかになった。
ランクインしたのはかつての「当たり前」ばかり
新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる。そんな中で、7月下旬に行われた「新型コロナウイルスのワクチン接種後に最もやりたいこと何ですか」というCCCマーケティングによる調査が公表された。共感しかないランキングのトップ5をご紹介する。
5位は「友人と会う」、4位に「家族・親戚と会う」が並び、ともに切実な内容だ。遠方であったり、距離が近くても県外であったりすると会うことに躊躇してしまう気持ちは痛いほど分かる。
3位にランクインしたのが9.7%の人がやりたいと回答した「海外旅行」。格安航空会社(LCC)の広がりで低価格化が進み身近になっていた海外だが、今では物理的距離以上に心理的な距離ができてしまった。2位は13.0%で「みんなで集まって会食をする」だ。仕方なく付き合うような飲み会が減ったのはうれしいが、気の置けない人や仲良くなりたい人とワイワイ楽しむ時間は早く取り戻したいという気持ちが伺えた。
そして1位になったのは22.7%の人がやりたいと答えた「国内旅行」だ。国内旅行に関しては「すでに予約・手配などをしている」「これから予約・手配などをする予定」を合わせて、回答者のうち約3割が予約済み・手配予定だと答えた。
上位に限らずトップ10にランクインした「海外旅行」を除く項目は、いずれも希望者の6~8割が「2021年夏」「2021年秋冬」に実現したいと回答していることから、ワクチン接種という“お墨付き”を得たら「すぐにでも」と考える人の多さが分かる。
一方で、「新型コロナウイルスのワクチン接種後の心情を教えてください」という質問では「ホッとしている」も39.9%いるが、「まだ心配である」が30.3%、「油断はできない」においては最も多く63.5%の人がそう感じていると回答。「自由だ」「ワクワクしている」と回答しているのがいずれの1%前後であることからも、まだ根本的な不安を消せていないようすが読み取れた。
さらに調査のあった7月下旬といえばまだワクチンの接種が進むと思われていた時期であり、状況は楽観的だった。8月中の感染者の爆発的な増加、自宅療養の実施、子どもへの感染力の強まり、新たな「ミュー株」の登場など想像以上の悪化も見られる今、同じ調査をしたら不安を抱える人の割合は増えるのではという気もする。本当に心置きなく過ごせる日は遠い。
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