あなたはNHKの受信料を支払っているだろうか。受信設備を持つすべての人がNHKと契約する必要があり、契約した以上は支払義務のあるNHKの受信料だが、徴収方法や適正価格、対象となる受信設備についてなど、さまざまな問題が噴出している。近年はテレビ離れといったキーワードが登場することがあるように、テレビをそもそも見ていないなどの理由による支払拒否などについても話題となっている。では、NHK受信料はどれくらいの割合の人が払っているのだろうか。NHKが公表している「2020年度末 受信料の推計世帯支払率(全国・都道府県別)」から、各都道府県の推計世帯支払率をランキング形式で紹介しよう。
支払率が高いのは、東北・日本海側エリア。とはいえ前年度値よりは低下
まず、推計世帯支払率とは、受信契約の対象世帯のうち、実際に受信料を支払っている世帯数の割合を示している。つまり、「そもそもテレビを持っていない」などの理由で支払っていない、受信契約の対象外世帯は含まれていないということだ。ではトップ5をみていこう。
推計支払率の5位は「青森県」で93.8%、4位は「島根県」で94.4%、3位は「山形県」で94.5%、2位は「新潟県」で97.0%、1位は「秋田県」で97.4%。もちろん、この数値は100%になることが求められているのだが、支払拒否などの問題が騒がれている割には支払率が高いなと感じたのは筆者だけではないだろう。東北や日本海側の都道府県がランキングの上位を占めており、「まじめで実直な人が多い」という筆者の勝手なイメージ通りの結果となった。他に、推計世帯支払率が90%を超えているのは「岩手」「富山」「鳥取」「岐阜」「福井」「山口」「福島」の7県。ただし、すべての都道府県で前年度値よりも低下しており、2019年度末から1県減少という結果となっている。
世帯数が多く、転居者も多いエリアは受信料徴収の訪問が追い付かない?
続いてはワースト5をご紹介しよう。43位は「福岡県」で76.3%、44位は「北海道」で72.4%、45位は「東京都」で67.7%、46位は「大阪府」で66.8%、最下位となる47位は「沖縄県」で49.8%という結果となった。世帯数が多く、転居者も多い大都市を抱える都道府県は低い傾向があるよう。また、長らく米軍軍政下にあった沖縄では、NHKよりも民放の設立のほうが早かったため、「テレビはタダ」という感覚が残っているという見方もあるようだ。
全国値をみると、2020年度末の結果は80.3%と、2019年度末の81.8%から1.5ポイント低下している。その理由について、HNKは「新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、年度当初から全国で訪問活動等を停止したことが、支払率低下の共通した要因と分析」と発表しており、受信料徴収の訪問がないと支払う人もいないのだなぁと実感する結果といえるだろう。
いかがだろうか。つい先日は、テレビを持たない人へのインターネットによる番組配信についての社会実証を行うとNHKから発表されるなど、「何としても受信料徴収額を増やすぞ」という執念が垣間見え、ネット上では非難の嵐が吹き荒れている。その前に全国平均を下回っている都道府県に訪問員を多数投下すればよいのでは……と思うのだが、あなたはどういかがだろうか。
出典元:2020年度末 受信料の推計世帯支払率(全国・都道府県別)について【NHK】
※サムネイル画像(Image:Dutchmen Photography / Shutterstock.com)