GoTo事業の停止から約1年半が経った。いまはGoToイートもGoToトラベルも、なかなか再開できる状況ではない。しかし、飲食業・観光業ともに体力が尽き始めているのも事実。特に東京オリンピック開催によるインバウンド観光客の増加を見据えていた観光地や宿泊施設にとっては、相当苦しい時期に差し掛かっているはずだ。
「GoTo事業」観光事業者の再開希望は80%超えに
インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」を運営する株式会社movは、訪日ラボWebサイト読者・訪日ラボメールマガジンユーザーを対象に調査を実施。この調査によると、「政府の経済復興支援策であるGoToトラベルやGoToイートなどの各種施策について、いつかは再開を希望しますか?」という質問に対して、「希望する」と回答したのは60.2%、「どちらかというと希望する」と回答したのは20.3%だった。つまり、全体の80%以上の観光事業者がGoTo事業の再開を希望しているというわけだ。
では、GoToを再開するならいつ頃が望まれているのだろうか。回答者の37.4%と最も多くの票を集めたのが「(2021年の)9~10月」。すぐにでもGoToを再開して客足を取り戻したいところなのだろう。次いで、26.3%の人が「12月~来年1月頃」と回答。つまり、全体の70%を超える事業者が、年内をめどにGoTo再開を希望しているようだ。
その一方で、GoToが再開した場合に備えて準備ができている事業者は多くない様子。「今後GoToが再開した場合にそなえて、準備はできていますか?」という質問に対して、66.1%が「準備していない(できていない)」と回答した。
準備不足のままGoToを再開し観光客の受け入れを開始してしまうと、ネットに上がっている営業時間やサービス内容などの情報が、コロナ禍の感染対策をふまえた現状のものと一致していない可能性も考えられるため、場合によっては「聞いてた話と違う」など観光客の満足度が下がってしまう恐れもある。満足度が下がればネット上で多くの人が参考にしている口コミ評価も悪化し、長期的な視点で利用客の減少に繋がってしまうケースも予想される。もしも今後GoToが再開されるのならば、観光地が万全の準備を整えるために、政府は早い段階で告知を行う必要があるだろう。
現在日本国内でもワクチン接種の割合が日に日に上昇してきており、「ワクチン接種を済ませた人からこれまで通りの経済活動を再開する」といった案も出始めている。実際に解禁されるのかは不透明だが、観光地の事業者の人たちは、再開時の体制の見直しを進めてGOサインが出たときに一人でも多くの観光客を迎え入れられる算段をつけてもらえると嬉しい。
出典元:「GoTo」再開希望80%超え。観光事業者の本音は/コロナ禍で浮上した「口コミ管理問題」【訪日ラボ】