「住みやすい街」とは、なにをもって“住みやすい”というのだろうか。治安の良さ、交通の便、買い物のしやすさ……さまざまな指標があるが、「行政サービスの質」も欠かせない項目のひとつだろう。自治体がサービスの質を向上できるか否かは、その地域の財政状況によって変わってくる。
つまり、歳入が多く金銭的に潤っている街ほど行政サービスに割ける予算が増えてサービスの質が上がり、住みやすい街になるというわけだ。今回は、公益財団法人特別区協議会が調査した「特別区の統計 令和2年版」をもとに、東京23区歳入ランキングについて紹介する。
トップ10には“上品な都心”が並ぶ
23区歳入ランキング、トップ10を一気にご紹介しよう。第10位は「目黒区」で、区民1人あたりの歳入は37万8,100円。第9位は「品川区」で、区民1人あたりの歳入は47万4,000円。第8位は「江東区」で、区民1人あたりの歳入は40万8,300円。第7位は「墨田区」で、区民1人あたりの歳入は45万3,800円である。東京の中でも比較的上品な地域が10~7位に並んだ。
続いて、第6位は「台東区」で、区民1人あたりの歳入は51万1,200円。第5位は「文京区」で、区民1人当たりの歳入は49万600円。第4位は「新宿区」で、区民1人あたりの歳入は44万4,000円である。6位となった台東区だが、区民1人当たりの歳入額では4位。これは、23区で人口が3番目に少ないことが関係しているのだろう。
都心3区最強説!? 1人当たりの歳入で断トツだったのは…
続いて第3位は「港区」で、区民1人あたりの歳入は55万7,800円。第2位は「中央区」で、区民1人あたりの歳入は69万4,400円。そして第1位に輝いたのは、「千代田区」であった。
驚くのは、千代田区民1人あたりの歳入が97万9,800円と断トツであったこと。2位の中央区民に30万円近く差をつけている。それもそのはず、千代田区の人口は67,175人(2021年8月1日時点)と23区で最も少ない。これも歳入額の高さに大きく影響しているだろう。
トップ3を占めたのは、都心3区と呼ばれる港区、中央区、千代田区であった。居住するには少々お高い街ではあるが、歳入が多いとのことで安定感は抜群。今後より住みやすい街に進化し「住みたい街ランキング」の上位に成長していくことを見据えて、不動産を購入しておくのもいいかもしれない。
出典元:「特別区の統計 令和2年版」【公益財団法人 特別区協議会】