コロナ禍で苦境に立たされた旅行・観光業界。それらを支援するため政府が行っていた観光支援事業「Go To トラベル」。2020年12月から事実上停止され、再開の目途は今のところ立っていない。しかし、日本国内では幅広い世代にワクチン接種が進み、第5波もなんとか収束してきたようだ。そこで気になるのがGo To トラベルの再開時期だ。
もはや国民は諦めモード?GoToトラベルどうこうを考える人はまだ少ないのかも
つい最近まで、日本はいわゆる“第5波”の真っ只中にいた。第5波では東京都だけで1日5,000人を超える感染者が出るなど未曾有のレベルで感染が拡大。「あ~、この第5波が終わったら旅行したいな~」などと考える余裕はなかったほどだった。
そのためか、株式会社attaが実施した「Go To トラベルの再開はいつ頃がいいと思いますか?」という今回のアンケートでも、第1位は26.2%の人が答えた「該当するものはない/わからない」という戸惑いの意見だった。第2位は「2022年4月中」で12.7%、第3位は「2022年1月中」の10.0%と続いた。
2020年7月から始まったGo To トラベル。新型コロナウイルス感染症の流行により落ち込んだ旅行需要を喚起するため、旅行代金の最大5割を国が補助する、という観光支援策で、多くの人が利用し旅行を楽しんだ。しかしこのキャンペーンが行われたことが、その後の第3波を招いたのでは?という批判も多くあり、スタートから半年もたたないうちに停止された。「Go To トラベル=感染拡大」というイメージが国民の間ではまだまだ強く残っているのかもしれない。
観光やレジャー目的での旅行よりもやりたいことがある、という国民は多いのではないか。それはふるさとへの帰省だ。特に関東圏や関西圏などの人口が多い大都市は、感染者が急増し、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が発令されている期間が長かった。というか発令されていなくても、それ以外の地域からすると「えっ、あの地域から帰省してくるの?」と、歓迎されないことは火を見るよりも明らかだった。
また、ワクチン接種が進む前は特に、高齢者がいるふるさとに帰ることに抵抗を感じる感染拡大地域の人たちも多かっただろう。もし自分が新型コロナウイルスを持ち込んで祖父母や両親に感染させてしまったら……と思うと、背筋が凍る思いがする。未知の部分が多いウイルスだけに、帰省を自粛したという人も多いはずだ。
Go To トラベルの再開は経済的に効果をもたらすだろう。苦境に立つ旅行・観光業界にとっては頼みの綱でもある。しかし、遠く離れた家族同士が気兼ねなく会えるようになることも大切だ。第6波が来たら、どちらも水の泡と化す。
そのためにも私たちは、「ワクチン打ったから」といってマスクや手洗いをなおざりにせず、地道な感染症対策に気を引き締めて臨んでいかなければならない。Go To トラベル再開は、「いつまでに」と定めず長い目で見守りながら待ちたい。
出典元:attaは→こちら
※サムネイル画像(Image:goto.jata-net.or.jp)