そもそもマンションを持っている人の方が少ないかもしれないが、離婚時や遺産相続時など、急にマンションを売却しなければならない局面は意外とある。ここでは将来のためにマンションの正しい売り方について解説しよう。
不動産会社の契約は必ず「一般」にしよう
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誰しも初めてマンションを買うときは、一生そこに住み続ける覚悟だが、離婚したり子どもが独立したり、親のマンションを相続するときなど、意外と売却しなければならない局面もある。そんなときは、まず近所の不動産会社に相談しに行くだろうが、少しでも「高く」「早く」売りたいなら、その時点で注意が必要になる。
まず、不動産会社は1社とだけ契約してはいけない。不動産会社との契約には大きくわけて「一般」と「専任」があり、1社と専任契約すると物件の情報を独占されるため、ほかの不動産会社でアナタのマンションは宣伝してもらえず、結果として「安く」「遅く」売却することになる可能性がある。したがって、マンションを売却するときは、少なくとも3社以上の不動産会社と「一般」で契約するのがおすすめ。複数の営業さんと付き合うのは多少面倒だが、複数の不動産業者でアナタのマンションを幅広く宣伝してもらえるので、結果として「高く」「早く」売れるのである。とにかく、マンションの売却はできるだけ多くの人の目に触れることが鉄則なのだ。なお、数社と「一般」で契約しても、手数料がかかるのは買主を仲介してくれた不動産会社だけである。
専任は不動産会社に有利で売主メリットは少ない
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大手の不動産会社でも、あの手この手で「専任契約」しようとするが、そこはクールに「一般で!」と言おう。何しろ専任なら不動産会社は売主(アナタ)と買主の両方から手数料がもらえる旨味があるが、一般では買主を見つけた会社のみが手数料をもらえるので、不動産会社にとっては不利な制度なのだ。「専任なら営業マンが熱心に売る」という人もいるが、いくら営業マンが良い人で熱心でも売れない物件は売れない。最後は結局、価格を下げるしか手はないのである。
ちなみに、不動産会社に行くと営業マンがマンションの査定を行うが、この査定金額が高くても何もいいことはない。売り出し価格が相場より高ければ売れないし安すぎると損をする。複数の会社で査定してみれば大体の相場観は養われるので、そういった意味でも複数の不動産会社と付き合ったほうが良い。
また、マンションは住みながら売るのは非常に難しい。購入希望者が内見(見学)に来たとき部屋が汚くて生活感があると買主(特に奥さん)の購入意欲が失せるのだ。やはり、部屋を空けてリフォームをした状態で売却したほうが、売れる確率はグンと高くなるのである。