東京都の西部を中心に、神奈川県北部までにまたがり鉄道路線を運行している「京王電鉄」。大きく分けて京王線、井之頭線の2つあり、中でも新宿から京王八王子駅を結ぶ全長37.9kmの鉄道路線は、新宿に最大約40分でアクセスできるため、通勤や買い物などに重宝しているという読者もいるのではないだろうか。では、一体何人ほどの人が京王線を利用しているのだろう。
今回は、京王電鉄が発表している「鉄道事業概要1日の駅別乗降人員」から、2020年度の京王線駅の1日平均乗降人員数を紹介しよう。
1位は誰もが予想できる「新宿駅」。50万人以上が乗降と圧倒的
まず誰しもが予想できるであろう1位は「新宿」。2020年度の乗降人員数は50万6,932人と2位と大差をつけての首位に輝いた。2019年度は78万8,567人だったため、1位とはいえ、人の流れは随分減っていたことが数字として表れている。
「乗降客数が世界一多い駅」としてギネス記録にも認定されている新宿駅は、京王線以外にもJR、小田急、東京メトロ、都営地下鉄と多数の路線との乗換駅として利用されている。さらに日本最大の繁華街・歓楽街が東口から広がっており、昼夜を問わず人の流れが絶えることがない。2020年には東西自由通路が開通するなど、利便性も高まった。京王線の乗降人数1位の駅となるのは、今後もおそらく変わらないであろう、巨大なターミナル駅だ。
1位は誰もが予想できると思うが、2位以下がどんな結果になっているのだろうか。
3位は新宿駅から見て府中駅の次にある「分倍河原駅」。2020年度の1日平均乗降人員数は6万9,114人で、2019年度は9万5,121人で4位だった。前年に比べて人数は減少しているが、順位は1つ上昇している。分倍河原駅はJR南武線との乗換駅でもあるため、武蔵小杉や川崎、立川などに1本でアクセスすることができる。座席指定列車である京王ライナーの停車駅でもあるため、長距離通勤をしている人にとっては便利だろう。
分倍河原駅のある府中市は、駅周辺の交通基盤の整備と連携したまちづくりを推進すべく、2020年に「分倍河原駅周辺地区まちづくり基本計画」を策定している。今後もさらなる発展が見込める街といえそうだ。
そして2位は「調布」で、2020年度の1日平均乗降人員数は9万372人。2019年度は13万65人で、前年と変わらず2位の座をキープしているとはいえ、乗降人数はガクッと落ち込んでいる。
橋本方面へ向かう相模原線との分岐点となっている調布駅は、京王ライナー以外の全ての列車が停車するため、利用者が多いことも納得できる。2012年に駅の地下化が完了し、乗り換えにかかる距離や時間が大幅に短縮され、より便利になった。さらに2017年には地上の跡地に3棟からなる駅ビル「トリエ京王調布」がオープンし、ますます賑わいを見せている。バスロータリーなどを含んだ駅前広場の整備は2025年の完成を目指して続いているため、今後の発展も期待できそうだ。
4位以下も紹介しよう。4位は「橋本駅」6万5,241人、5位は「府中駅」6万2,986人、6位は「千歳烏山駅」6万1,848人、7位は「笹塚駅」6万167人、8位は「京王多摩センター駅」5万8,026人、9位は「仙川駅」5万7,764人、10位は「聖蹟桜ヶ丘駅」4万7,521人。どの駅も乗降人数が減っているのは時節柄、当然といえるだろうが、来年度はどうなっているだろうか。今後の動向にも注目したい。
出典元:「鉄道事業概要 1日の駅別乗降人員」【京王電鉄】
参照元:「京王線」の乗降人員数ランキングTOP30! 「新宿」に次ぐ2位は?【2020年度】【ねとらぼ調査隊】
※サムネイル画像(Image:StreetVJ / Shutterstock.com)