JR渋谷駅にでかでかと掲出された、ファミリーマートの新しい広告が話題だ。10月19日にプライベートブランドとして登場した「ファミマル」の広告なのだが、横長の大きなパネルには、「そろそろ、No.1を入れ替えよう。」というキャッチコピー。その下には小さな文字で控えめに「ちょっと大きいこと言っちゃいましたが、まずはおいしさで勝負します。」と書かれている。
一見、ファミマの熱意とやる気が伝わってくる広告だ。しかし、実はとある理由でネットではツッコミが殺到している。
ファミマ、業界2位のように見せかけて実は3位だった
「業界1位のセブン-イレブンを追い抜くぞ」というメッセージ性を感じるこの広告、そうとは書いていないが、あたかもファミマが2番手かのような印象を受ける。しかし、実際の業界2位はローソンであり、ファミマは3位。店舗数だけで言えばファミマが業界2位なのだが、この広告に関してはおそらくそういった話ではないだろう。
また電車の車内広告には「業界を面白くするのは、たいてい1位じゃないほうだ。」というキャッチコピーが書かれた広告を掲出。これまた2番手目線のような言い方である。これについてネットでは、「ていうか君ら3位じゃなかったっけ」「なるほど、ファミマ広告の真の凄さは『本当は3位だけど2位に見せている』ってところか」といった声が上がっている。また、「イメージだけ良くなっても実態が伴わなかったら意味ないと思うの」と厳しいツッコミも見られた。
一方で、この一捻りあるアイデアに肯定的な声も上がっている。本当は業界3位なのに2位であるように見せかけたこの広告に対して「これ考えた人、天才だわ」「競合からローソンを除外してセブンとファミマの一騎打ちみたいに見せているの優秀」という意見も。街中でしのぎを削るコンビニ間競争において、使える手段はなんでも使っていく貪欲な姿勢が評価されたようだ。また、「元々業界1位のセブン-イレブンを煽り倒す広告を作ろうとしたが、コンプラ的にNGが出まくってこうなったに一票」と、制作の裏側を推測するユーザーも現れた。
今回“ファミマル新登場”とのことでこの広告が打たれたわけだが、ファミマルの前身は「お母さん食堂」であり、このネーミングは女性差別だとして過去に批判を浴びていた。そんなお母さん食堂からの改名というだけでも十分話題性があるのに、この広告が賛否を呼んだおかげで、さらに世間の注目が集まるようになった。さまざまな意見があれど、ファミマ的には結果オーライ、むしろ計画通りなのかもしれない。
●新プライベートブランド「ファミマル」は→こちら
※サムネイル画像(Image:「ファミリーマート」リリースより引用)