現在、日本で人気のゲーム機といえば、任天堂の「Nintendo Switch(以下スイッチ)」とソニーの「PlayStation 5(以下PS5)」が2トップと言えるだろう。中でもPS5は美麗なグラフィックは当然のこと、「より深い没入感を楽しめる」3Dオーディオや、プレイ時のイライラの素とも言えるロード時間が大幅に改善されるなど、ハイスペック化が著しい。
しかしネックとなっているのは「買えない」こと。2020年11月12日の発売から1年が経とうとしているが、いまだ品薄は解消されていない。果たして“PS5難民”はいつまで待たされるのだろうか…?
高騰するPS5の需要の裏に潜む転売ヤー
PS5は発売当初から品薄が続き、9月には「国内推定累計販売台数100万台突破」が発表されているPS5だが、ゲームファンの体感ではそんなに世の中に出回っているのか…?とすら感じてしまうほど入手が難しい。リアル・ネット問わずどこの店舗でも「入荷、即、完売」といった様子で、ファンが全く買えていないことでたびたび話題となっている。定期的に抽選販売を実施している「ノジマオンライン」でも、6月20倍・7月20倍・8月30倍・9月20倍という過去の抽選倍率を公表し、1周年間近となる10月は60倍になるという予想を示している。
そこまで需要に供給が追い付いていないのは「半導体不足」が原因のひとつであるとされ、5月には公式に「供給不足は2022年になっても続く可能性がある」との見通しを示したことでも話題となった。
ではファンが買っていないのならば、いったい誰が買っているのか。それが近年コンサートチケットの転売などでも話題となった「転売ヤー」だとみられている。実際にフリマアプリなどでは、通常価格5万円台のPS5が倍近い9万円以上で取引されている例も多く見受けられる。ソニーもメルカリに対し転売対策への協力を要請しているものの、現状ではあまり効果が見られていないのが現状だ。
販売現場では強硬手段での転売対策も
転売対策は企業同士だけでなく現場レベルでも実践されている。前述のノジマではオンラインで抽選販売を実施するだけでなく、リアル店舗でも「目視で転売ヤーを排除」といった購入者のふるい分けや「PS5の外箱に購入者のフルネームを記入」「デュアルセンスコントローラーの包装袋を開封・破棄」といった荒業とも言える転売対策を実施しネット上で話題となった。対策方法についての賛否はあるだろうが、それだけ業界が転売を問題視していることは、ユーザー側としてありがたいことには違いないだろう。
ネット上では「何度か購入を試みたけど、あまりにも購入出来ないので購入欲求が消滅した」「出回らないからソフト会社もPS5専用ソフトをあまり出さない。欲しいソフトが無いからPS5もそこまで欲しくなくなった」など、PS5の購入を諦めたファンが続出。また、「国内累計販売数100万台突破したと発表されましたが、10万本越えたソフトが無いって明らかに異常」と、本当に欲しがっているファンに届いていない現状を改めて指摘する声や、「PS6を出すときはPSNやPS+に加入している人から優先的に買えるようにしてはいかがですか?」とソニーに対して転売対策を提案するファンも見られた。
任天堂のスイッチも、店頭在庫が普及するまではかなりの時間を要していたし、10月8日に発売された有機ELモデルの新型スイッチも品薄状態が続いている。果たして本当にファン全員が入手できるのはいつになるだろうか。一刻も早い半導体の供給不足の解消に期待したい。
参照元:「PS5購入者は箱に名前を書いてもらう」ノジマはなぜ転売ヤーを許さないのか? 苛烈な転売対策の背景を担当者に聞いた【ねとらぼ】
参照元:いつまで続く「PS5」不足、1周年も倍率は60倍!【Lmaga.jp】
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