読者のみなさんの中には、学生時代や幼い頃、家の電話で家族に聞かれたくない内容や出先で電話をかけたい時に公衆電話を使った思い出を持つ人も少なくないかもしれない。しかし現代では携帯電話の普及によって街中の公衆電話が激減。「昔はここにもあそこにも電話ボックスがあったのに……」と少し懐かしむ人もいるのではないだろうか。
そして公衆電話といえば、欠かせないのが「テレホンカード」。公衆電話自体に縁のない今の10代にとっては、テレホンカードは“化石級”の存在と化しているようだ。
公衆電話の減少と共に姿を消しつつあるテレカ
テレホンカードといえば、かつては芸能人やキャラクターなどが描かれたグッズとしても多く出回っていた。利用した分だけカードの端に穴が開けられ、残高が分かるようになっているため、使用せずにきれいな状態のままコレクションしていた人もいるかもしれない。SNSでは「部屋の掃除をしたら昔のテレカがたくさん出てきた!」なんて声も時々目にする。
ところが、今では携帯電話やスマホの普及から公衆電話を使う機会もほとんどなくなり、現に設置台数も年々減少している。同時にテレホンカードの姿もほとんど見かけなくなった。
となると、生まれてから公衆電話に触れることなく育ってきた10代の若者たちの中には、テレカの存在を知らない人もいるだろう。まさにジェネレーションギャップを感じる部分だが、実際はどれくらいの若者がテレカを知らずに生きているのだろうか……。
ITツール比較サイト・STRATEを運営するSheepDogは全国の15~19歳の男女300人を対象に「テレホンカードに関するアンケート」を行った。
「テレホンカードを知っていますか?また、利用経験はありますか?」という問いに対して、「知っているが、使ったことがない」と答えたのは45%。実際に見たことがなかったとしても、テレホンカードという言葉くらいは耳にしたことがあるのかもしれない。現在は、ものによってプレミアがついてネット上などに出回っているテレカも存在しているため、消耗品というより“価値のあるコレクション品”だと思っている場合も考えられる。
そして「知らない」と回答したのは22%。300人中66人という計算になる。覚悟はしていたものの、実際の数字を見たり、10代がテレホンカードと聞いて「はて?」と首をかしげているのを想像したりするだけでもやはりドキッとしてしまう……。
反対に「知っていて、使ったことがある」と答えたのは33%と、こちらも意外に多い数字で驚いた。最近は固定電話を置かない家庭も増えているとなると、携帯電話やスマホを持たせてもらう前に近所の公衆電話で使用していたということなのだろうか。
今後も公衆電話の数が減り続ければ、必然的にテレカを目にする機会もさらに減っていくだろう。テレカを知っているだけで、職場で“おじさん、おばさん”扱いされてしまうのかもしれない。また、さまざまな場面でキャッシュレス化が進んでいることを考えれば、「図書カード」や「クオカード」なども電子クーポンなどに飲み込まれてその姿を見なくなる日が来てしまうのだろうか……。便利になるのは嬉しいことだが、なんだか少し寂しい気持ちにもなる。
出典元:10代の22%がテレホンカードを知らないと回答 使ったことがあるのは33%【テレホンカードに関するアンケート】【STRATE】
※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)