善意で協力したつもりが、あなたに悲劇を招くことになるかもしれない。いま、新手の詐欺が日本各地で横行しているらしい。それは、私たちの生活に身近な「QRコード」を使った詐欺。街中で突然「QRコードを読み込んでください」と声をかけられたら要注意だ。
今回は、SNS上で話題となっている怪しげな事案と、QRコードを読み込むことでどのような危険が起こり得るのかをお伝えしていきたい。
街中で見知らぬ男女2人組に声をかけられて…
まずは、せきぐちあいみ AimiSekiguchi(@sekiguchiaimi)さんのツイートを見てみよう。
“今日中目黒駅で見知らぬ2人組の男女に「僕達の新事業のQRコード読み取ってもらえませんか?」て言われて「え、得体の知れないQR読み込むの怖いんで検索とか出来ますか?」て返したら「あっ…それは出来ないんです。じゃあ大丈夫です」って去っていったんだけど多分なんか変な人達だったな。”
以上が、QRコード詐欺と思われる出来事の経緯だ。投稿主はうまく断ることができたが、QRコードの仕組みについて詳しくない人であれば、疑うことなく協力してしまいそうな内容。このツイートには、「それたぶん事業家集団・環境と呼ばれる悪質マルチ団体です」「面白そうだったのでQR読み込んだ人間です。読み込んだら、LINEの友達登録させられて、後日サロンに誘われます」「マルウェアをダウンロードさせたり、何かiPhoneの操作を実行するQRコードだった可能性ありです。色々できるので、不審なQRコードの読み込みは避けて正解でした」といったリプライが寄せられている。
また、「どこかで見かけました。池袋か新宿だったかな」「たぶん大阪でもあった」など、中目黒以外の地域でも類似のケースがあったことも伝えられている。「うちの近所じゃないから安心」とはいかないようだ。
前述のツイートのリプライでは、怪しいサロンやマルチ団体の勧誘をされるという報告があったが、ほかにはどういった被害に遭う可能性があるのだろうか。
セキュリティ会社のカスペルスキーのサイトでは、「QRコードを悪用したサイバー犯罪」について紹介されている。カスペルスキーによると、QRコードは、偽のフィッシング詐欺サイトに飛ばしたり、マルウェアをダウンロードさせたり、読み込むだけで「連絡先追加」「通話の開始」「テキストメッセ―ジの送信」「SNSのアカウント作成」などの操作ができる場合もあるという。つまり、自分の知らないところでスマホが勝手に操作されてしまうということ。実に恐ろしい話だ。
QRコードは機械のみが読めるものであり、人間である私たちはQRコードの先になにがあるのか、スキャンするまで判断できない。一般的な用途であれば非常に便利な機能ではあるが、便利なものは危険と表裏一体であることは心に留めておきたい。知らない人のQRコードを読み込まないのはもちろん、QRコード詐欺の存在をぜひ周囲に共有していただきたい。
●QRコードを悪用したサイバー犯罪(カスペルスキー)は→こちら