日本郵政が2022年1月から普通郵便物の配達日を1日遅くすることを決めた。単純にコスパが下がることに変わりはないため、決定に対して2007年の郵政民営化を批判する声やサービスの質の低下を嘆く声が聞こえてくるのは仕方がないだろう。一方で海外と比べれば、それでもなお優秀な日本の郵便事情が見えてきた。
1月21日から、郵便の到着が1日遅くなる
日本郵便が、2022年1月21日以降に差し出した普通郵便物の配達日を1日遅くすることを発表した。郵便局員の深夜残業を減らすためとされ、青森や静岡など13県と東京、千葉、長野、広島、福岡各都県の一部地域で実施し、2月中には全国ほぼすべての地域に拡大する予定だという。対象は普通郵便のみで、書留や宅配便に変更はない。
普通郵便といえば、10月から土曜配達が廃止されたばかりだ。SNS上には「気をつけないと」「郵便での書類のやり取りなど今後はPDFなどメールで十分でしょ」という声が上がるとともに「木曜に手紙を投函すると月曜に届く。って、遅くね……?」という不満も噴出している。
たしかに、今回のニュースをサービスの低下と捉える人も多い。2019年に行なわれた郵便料金の値上げも記憶に新しく、重なるコスパの低下にクレームが出ることは理解できる。
とは言っても、日本のインフラの水準は世界トップクラスである。海外へ目を向ければ下などいくらでもいる。
例えば、イギリスのロイヤルメールなどは「家の前に配達車が停められない」という理由で何日も不在届だけが投函されたりする。サインが必要な書留がポストにすら入れられずドアの前に放置されていた、日本からの郵便が不在届も入っておらず送り返されていたなど日本なら大問題にされそうなことが日常的に起こっている。
アメリカのアメリカ合衆国郵便公社も似たようなものだ。人員の削減などを理由に配達が遅れていたときも、郵便局の回答は「いつ届くか分からない」というもの。遅れは3日かもしれないし、1カ月かもしれないという先の見えなさだ。
世界のサービス基準を考えれば、よほど日本のほうが事前にサービスの変更を予告し、これ以上なく丁寧に段階を踏んでくれている。ましてや、その理由は従業員の待遇改善だ。配達日が1日遅くなったところで、正確なサービスを提供してくれる日本の郵便は世界的に見れば十分優秀なのだ。これからの郵便物は、「ギリギリに出そう」などと思わず早めの対応をしてみてはいかがだろうか。
※サムネイル画像(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)
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