人気オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV(FF14)」の規約がネット上で話題となっている。「ファイナルファンタジーXIV禁止事項」を10月下旬に更新したところ、その内容が注目を集め、現在ツイッター等で「小学校の道徳のようだ」など賛否両論の反応が飛び交っているという。果たして賛否が分かれる規約とはどんなものなのだろうか…。
FF14、新たに設けた「禁止事項」が話題に
話題となっている10月27日に追加された規約は、「禁止事項」として具体的な言動の例が挙げられたものだ。その規約では、「ばか」「あほ」「死ね」といった侮辱的な言葉や、そうしたフレーズを使わずとも「全滅したのは〇〇のせいだ」と責め立てる内容などが挙げられている。他にも「私に嫌われたらまともにプレイできなくなるから、わかる?」と脅迫したり、プレイヤー間で意見の食い違いが発生した際に「貴方のようなタイプは一生そのままですね」といった嫌味を言うことも、処罰の対象となり得るようだ。
また、例を挙げる前には「これらは一例でしかありません。他者への礼儀を忘れずに不快にさせないことを心がけて行動するようにしましょう」と赤の太字で書かれており、「書いていないからOKではないぞ」ということを強く発信している。
サブカル専門ライター・河村鳴紘氏の取材を受けた「FF14チーム」によれば、こうした具体例を挙げての禁止事項の発表は、2013年に現行版がスタートした長い歴史を持つFF14の中でも初めてのことだという。規約に対する正しい理解が進むことで、より健全なコミュニケーションが発展することがゲームにとって重要であるとも語り、長寿サービスのさらなる発展を狙ってのことであると明かしている。
また、FF14の公式ページでも、10月29日にグローバルコミュニティプロデューサー・室内俊夫氏名義で、「これまで何の問題もなくプレイをされてきた方々には、特に大きな変化をもたらすものではありません」と、一般プレイヤーは規約の中で想定されていないため、今まで通り楽しくプレイして問題ないことを強調している。
「相手の嫌がることをするのはやめましょう」「相手を思いやった言動をしましょう」というのは、いかにも小学校の道徳の教科書に載っていそうな内容だ。ネット上では、「チャットは思いやりの心を忘れないよう心がけたいですね」「FF11全盛期にこの規約が欲しかった」「スプラトゥーン2もこうすればいいのに」など、規約に理解を示すユーザーが多くみられた。
一方で、「あの規約はちょっとやり過ぎな気もするんだよなぁ」「逆に言えば、ここまで言わないと分からない人が増えたって事よな…」「キッズにはここまで詳細に書かないとわからないのかと思うと、もうね…」といった、低年齢層をはじめ、問題行動を行うユーザーの理解を促すにしてもここまでする必要はあるのか、と疑問視する意見も少なくなかった。
30代の筆者が学生時代の頃も、様々なタイトルの人気オンラインゲームが存在し、その中では今回のようなコミュニケーションによるトラブルも存在していたことは間違いない。しかし規約に具体例まで書かれて禁止されるようになってしまったのは、誰でも気軽にオンラインゲームを始めやすい環境が整ったことで低年齢化が進んだことも一因であると考えるのは自然なことではないだろうか。加えて近年はYouTubeで「物申す系YouTuber」が人気を博していることもあり、相手を“論破”することに憧れを抱くキッズたちがゲーム内で大暴れしている、とみるのは果たして考えすぎか……?
とにもかくにも、ごく一部のユーザーの迷惑行為によってゲームの悪評が広まってしまうと、まともな人がゲームを見限り迷惑行為を繰り返すユーザーばかりが残る負のスパイラルに陥ってしまうのは目に見えている。FF14がそうならないように祈るほかない。
参照元:よくあるご質問/お問い合わせ【ファイナルファンタジーXIV サポートセンター】
※サムネイル画像(Image:support.jp.square-enix.com)