「家賃99円で東京23区内に住める」、嘘みたいなホントの話だ。家具メーカーのIKEA(イケア)は、東京都新宿区にあるマンションの一室を家賃99円で貸し出すことを発表した。ロフト付き3.5畳の激セマ物件だが、シャワー室やキッチンもついており、内装はイケアの家具でオシャレにコーディネートされている状態で借りることができるという。住居者は1名、抽選によって選ばれる。
“うまい話には裏がある”というのが世の常だが、いったいどういうからくりなのだろうか。
家賃99円のオシャレ部屋、インフルエンサーひいきなしのガチ抽選!
東京の家賃は高い。特に都心部は段違いで、高い家賃を払うか狭い部屋に住むかの2択と言っても過言ではない。狭い部屋に住むと、家は「寝るだけの場所」になってしまいがちだが、この家賃99円部屋は狭いながらも、縦のスペースを有効活用して快適に過ごせるような工夫が施されている。作業や食事ができるデスクやほっと一息つけるソファ、服選びが楽しくなるようなハンガーラックが3.5畳に美しく収まっているのだ。狭ささえもプラス要素に変えた、秘密基地のようでワクワクする空間がそこにある。
応募にはIKEA Family メンバーへの登録が必須となっており、条件は「応募時に20歳以上であること」「プロモーション期間中、継続して居住できること」「プロモーション期間中のイベントに参加できること」とのこと。かかる費用は家賃99円、水道光熱費、入退去費のみだ。条件を見た限りでは、入居者が損をするようなからくりはないように感じるが……。
このユニークで夢のある企画にネットが湧く一方、一部からは「家賃99円というより1年間イケアに住み込みで働かされた挙句、家賃分の数万円しか貰えない貧困ビジネスでは…光熱費などは自己負担だし…」「イケアに住み込みで1年間働らかされて数十万円の仕事やん」「住み込みのタレント契約で逆に99円および光熱費に退去費払わされるという、一昔前の芸能事務所の金儲けの仕方みたいな」といった声も聞こえてきた。
応募条件には「プロモーション期間中のイベントに参加できること」とある。これがどれくらいの頻度で行われるのかは分からないが、本業に支障をきたすほどであれば、“タダ働き”と言えてしまうのかもしれない。やはり格安で都内に住むには対価が99円で済むはずはなく、イケアのPR大使的な役割を担うことに抵抗があるか否かもこの家に住むための資質のひとつと言えそうだ。
とはいえ、入居者が頑張って宣伝をしなくとも、この取り組みを発信した時点でイケアにはかなりの注目が集まっている。家賃分の100万円そこらで十分な広告宣伝ができたイケアが、入居者に多くを求めることはないのでは。家賃99円部屋の応募は12月3日(金)まで。興味がある人はチェックしてみてはいかがだろうか。
参照元:「Tiny Homes」 小さい部屋に、アイデア広がる。【IKEA】
※サムネイル画像は(Image:「IKEA」公式より引用)