増加する「ご当地ナンバー」はなんのため? 反強制で拒否できない!?

「若者の車離れ」なんて言葉もあるが、やはり車を持つことに憧れを抱いている人も多い。愛車としてより楽しむため、購入時に4桁の数字を選ぶことができる希望ナンバーを取得する人もいるだろう。一方、コロナ禍で問題になったのが「ナンバー狩り」。遠方から訪れたと思われる地域名のナンバーの車に嫌がらせをするようなこともあった。なかでも「ご当地ナンバー」について今、様々な意見が挙がっているのだ。

地域振興のため、強制的に「ご当地ナンバー」に

ナンバーの地域の数が多いのは、東京と千葉が10で同数。続いて北海道9、愛知8(画像は国土交通省地方版図柄入りナンバープレートから引用)

車を所有している読者のみなさんはご存じだろうが、「ご当地ナンバー」というものが使用されている地域がある。

ナンバープレートの地域名は、従来当該自動車を使用する本拠地を管轄している運輸支局、または自動車検査登録事務所の名称や所在地を表示しているもの。名称が追加されるのは、当該事務所の新設に伴うものだけだった。ところが、地域振興や観光的な観点から事務所新設に関わらず新設されたナンバープレートが誕生した。これが「ご当地ナンバー」だ。ちなみに東京都では、従来のナンバーと「世田谷」などのご当地ナンバー含めて、10もの地域ナンバーが存在する。

ところがこれ、希望者だけが使用するというものではなく、ご当地ナンバーの対象地域に住んでいれば強制的に従来のナンバーは使われなくなってしまう。世田谷区の場合、それまでは品川ナンバーのエリアだったが、新たに引っ越してきた場合や住民が車を購入した場合、世田谷ナンバーを付けざるを得ないという。

車に興味がない、所有していないという人には「なんでもいいのでは?」と思うかもしれないが、実はかなりの批判が集まっているのだ。

筆者も以前、品川ナンバーが欲しくて杉並から世田谷に引っ越したことも(画像は国土交通省地方版図柄入りナンバープレートから引用)

確かにご当地ナンバーの車を見て、他地域ではあまり知られていない地名だと「あの地域なんだ?」「どこの都道府県だろう?」と気になって調べることもある。これがいわゆる地域振興、地域のことを知ってもらうきっかけになっているのだろう。

ところがネット上で聞こえてくる世間の意見はかなり辛辣。都市部では特に「○○ナンバーはダサい」など地域名を比べて、「ランクダウンする」「車の価値が下がる」なんて言葉も聞こえてくる。もちろん物理的に価値が下がるようなことは発生しないが、そのような偏見が生まれてしまっているのなら、ご当地ナンバーの制度について見直す必要があるのかもしれない。

また、「こういうの増えすぎてなんかあったときの通報時にわかりづらすぎる。全く知らない地名だと『あれ?なんだっけ』って忘れてしまったりする」といった意見も。車輌認証の「わかりやすさ」といった点では、かえって混乱させている可能性も否めない。

その点では地域PRのため導入された「イラスト入りナンバープレート」についても「見にくい」など否定的な意見が多く見られた。

地域振興や観光、PRを目的に取り入れられたご当地ナンバー。目を惹いたり話題になったりすることを踏まえれば、メリットもあるのだろうが、“強制”制度は疑問を抱く人が多いようだ。こういった世間の意見も踏まえて、今後どのようになっていくか注目したい。

参照元:取得済みの人以外は強制的に「ご当地ナンバー」! 嫌う人もいるが拒否できない現実【WEB CARTOP】
●国土交通省(地方版図柄入りナンバープレート)は→こちら

※サムネイル画像は(Image:国土交通省地方版図柄入りナンバープレートより引用)

オトナライフ編集部
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