12月7日、JR東日本は首都圏の主要路線で2025~30年頃までにワンマン運転を目指すと発表した。ドライバレス運転の実現に向けて開発を進めているいというが、ネットではワンマン運転を懸念する声も多数寄せられている。今回は、世間のリアクションをもとに、JR東日本が発表したワンマン運転の導入について詳しく伝える。
山手線などの主要路線で、2030年までにワンマン運転導入を目指す
JR東日本は7日、記者会見を開き、代表取締役・深澤祐二社長がワンマン運転の導入について「2025年から2030年ごろの導入に向けて、線区ごとにワンマン運転の準備をする」と説明。人口減少や働き方改革によって、人材の確保が困難になることを予想とし、ワンマン運転の開発を進めると明かした。山手線のほか、京浜東北・根岸線と南武線、横浜線、常磐線各駅停車を想定しているという。
運転席からホームの様子が見られるカメラを車両側面に設置したり、駅にホームドアを完備したりと、様々な技術を駆使してワンマン運転の実現しようとしているJR東日本だが、乗り入れの多い駅などではトラブルが発生するのではないかという見方もある。
ワンマン運転の導入に対し、反対派多数
このニュースを受けてネット上からは様々な反応が飛び交っている。都市交通政策のアドバイザーとしても活躍する鉄道ライターの伊原薫氏はニュースに対し、「監視カメラやセンサーでの確認には限界があり、また最近起こったようなテロともいえる列車内犯罪については、人の判断や対応が不可欠です」とコメントを書き込んでいる。続けて「現在のような2名運行体制を維持する方がより安全です」「合理化による運行経費削減が必要であることは理解できますが、ここは削減してはいけない部分ではないでしょうか」とワンマン運転の安全性について言及した。
他のユーザーからも「企業努力には敬意を表しますが、運賃値上げでもいいから、2人以上の乗務員がいてほしい派です」「狂ったクレーマーや災害時の対応など、1人と2人とでは大違いだと思う」「だって緊急停車しても車掌と役割分担や話し合うことで精神的安心も得られる。1人だと運転手の判断ミスで大変な惨事にもなりかねない」と、ワンマン運転にともない運転手の負担が肥大化しすぎるのではないかといった不安が多数寄せられた。
2021年8月には、東京都世田谷区を走行中の車両内で36歳の男性が乗客10人を包丁で切りつける事件が起こり、10月にも東京都調布市を走行中の京王線特急内で24歳の男性が72歳男性の右胸をナイフで刺した事件など、世間に恐怖を与える車両内の無差別殺傷事件が度々報じられている。
そういったトラブルにどう対応していくのかなどもワンマン運転の課題となりそうだ。導入が実現する日はやってくるのか、JR東日本のワンマン運転の開発に注目が集まる。
参照元:25~30年にワンマン運転へ JR東日本、首都圏の複数路線【共同通信】
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