新型コロナウイルスのワクチン接種証明書をスマートフォンで入手できるサービス「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」が20日から始まった。スマホで手軽にワクチン接種を証明できるようになれば何かと便利(なのかもしれない)だが、利用にはマイナンバーカードが必須となっているのがネックとなる可能性も否定できない。現在カードの交付率は人口の4割程度。果たして、アプリの利用はどこまで広がるのだろうか。
接種証明書アプリは普及するのか?
アプリの利用方法は、アプリストアでダウンロード後、マイナンバーカードの暗証番号を入力してスマホにカードをかざすと接種証明が表示されるという、至って簡単な仕組みになっている。しかし、これがどれだけ普及するかが問題だ。
自治体の窓口に行かなくても接種証明書を発行できるのが利点となるシステムだが、マイナンバーカードを持っていない人は、まず自治体の窓口に行ってマイナンバーカードの申請・発行をしなくてはならない。一度行けば済む話なのだが、平日の仕事終わりに行くのは難しいし、休日をわざわざマイナンバーカードの発行に割きたいとも思えない。結局この接種証明書アプリは、既にマイナンバーカードを持っている人しか便利に活用できないアプリとなってしまう危険性をはらんでいるのだ。
マイナンバーカードの交付率の低さ以外にも課題はある。現在、カードに旧姓併記がある場合は、現時点で接種証明を発行できないシステムとなっている。デジタル庁は「技術的な課題」と説明しているが、この時点で利用できなくなる人も多いのではないだろうか。
ネットでは「使うにはマイナンバーカードが必要なのですから、アプリの広がりも最大国民の4割でしょうね」「マイナンバーカードが必要なら正直言って使わない」「使えないアプリを血税投入して作るな」と普及率の低さを予測する声や、「接種していようがしていまいが感染はするのにそれを証明して何になるんですか?」「ワクチン接種証明って意味あるんでしょうか。ワクチンを接種していてもコロナ自体には感染するのですから」など制度自体への不満の声も上がっていた。
また、「COCOAは入れたけど、なんの役にも立ちませんでした」という声も。COCOAは、コロナ感染者に接触したか否かを通知するアプリだったが、不具合が起きたり陽性申告者の利用率が極めて低かったりと、イマイチそのポテンシャルを発揮できていない印象だ。さて、今回の接種証明アプリは国民の役に立つことはできるのだろうか。
参照元:接種証明アプリの提供開始 マイナカード必須、利用広がりどこまで【朝日新聞デジタル】