性教育に特化したイラストを無料で提供する素材集サイト「性教育いらすと」が12月18日に公開された。クラウドファンディングでは目標金額の463%を達成、サイト公開初日から「待ってました」「本当に助かる」と感謝の声が数多く寄せられていた、性教育いらすと。いったいどういった取り組みなのだろうか。
400点以上の性教育関連イラストが無料で利用可能
性教育いらすとを立ち上げたのは、グラフィックデザイナーの佐藤ちと(@sato_chito_)さん。性教育イベントに参加するなかで、「皆スライドで使うイラストを探すのに苦労してそうだな」と気が付いたことが性教育のイラストをつくるきっかけだったという。
イラストの種類は、性器の仕組みや生理用品、性感染症、避妊具といった体にまつわることをはじめ、LGBTQ+や性的同意を表すもの、性被害など幅広く用意されている。イラスト数は、11月23日時点で487枚。細かいニュアンスを表現できるイラストも用意されているのが特徴で、例えばナプキンひとつにしても、「普通の日用」「多い日用」「経穴がついているもの」「着け方の図解」などより分かりやすく性教育を行えるものが揃っている。
なお、性感染症の症状や性器など、描く上で正確な医療知識が必要なものに関しては、泌尿器科医と助産師の監修のもと制作されている。性教育をする側としても、正しいイラストで正しい知識を伝えられるのが安心だ。
性教育いらすとのイラストは、やさしいタッチで“ザ・性教育”といった印象を与えない点が魅力。保健体育の教科書にあるようなリアルで生々しい印象はなく、純粋に「へぇ~そうなってるんだ~」と伝えたいことがスッと入ってくるようなイラストだ。
また、新着イラストには、近年問題視されている「ルッキズム」に関するイラストが掲載されていた。ルッキズムとは、容姿や身体的特徴で人を判断する考え方で、「外見至上主義」とも訳される。美しい人を美しいと感じること自体に問題があるわけではないが、ルッキズムにとらわれるあまり摂食障害になることもあり、これから解決していかなければならない課題のひとつだ。
ルッキズム関連で性教育いらすとが提供しているのは、顔にコンプレックスがあり鏡を見て悩む女性や、実際は細いのに鏡に映った自分が太って見えてしまっている女性など。SNS時代のいま、こういった教育がさらに必要となってくるだろう。
先進的な取組みに、リプライや引用ツイートでも「公開おめでとうございます」「とってもわかりやすいですね。ぜひ、使わせてほしいです」「今まで考えた事も無かったけど、大事な事だね」「これも性教育の一つになるんだなって、改めて考えさせられるものが多いでした」「広まれ広まれ。偏見や時代錯誤や誤解が減らしやすい世の中になるように」といった応援の反応が多数寄せられていた。
性教育いらすと内のイラストは、個人・法人・商用・非商用問わず無料で利用が可能。事前連絡やクレジットの表記は必要ない。性教育いらすとが多くの人に認知される日も近いだろう。
出典元:無料イラスト素材集「性教育いらすと」は→こちら
参照元:性教育に特化したイラスト素材集サイト「性教育いらすと」公開 400点以上のイラストが無料で利用可能【ねとらぼ】
※サムネイル画像は(Image:「性教育いらすと」リリースより引用)