世界中で高速インターネット通信を可能とする「Starlink(スターリンク)」。すでに世界20カ国以上で14万以上の顧客を持っている。日本では2021年9月に、KDDIがアメリカのSpaceX(スペースX)社と協業し、au基地局のバックホール回線に利用する契約を締結している。技術的な課題も多いが、その一つに「猫によるアナログな通信妨害」があるのだという。
どうやらアンテナは温かく、猫にとっては絶好の温もりスポットになっているようだ……。
世界中で高速通信が可能となるスターリンク。だが猫によりあえなく妨害
スターリンクとは、アメリカの民間企業・スペースXが提供している人工衛星を用いたインターネットアクセスサービス。一般的な衛星通信は赤道上空36,000kmの高度で太平洋・大西洋・インド洋上に打ち上げて世界中に通信を送るものだが、スターリンクは高度約550kmに多数打ち上げる。それらを連携させて運用することで、世界中で高速かつ大容量の通信を可能とする。これまで電波がつながりにくかった山間部やへき地などでもスムーズなインターネット通信が可能となり、革新的なサービスとして期待されている。だが、専用アンテナが設置場所を選ぶなど課題が多いことも指摘されてきた。
そんななか、Aaron Taylor(@Tippen22)さんがツイッターで報告した一つの課題が「猫が集まる問題」だ。「Starlink works great until the cats find out that the dish gives off a little heat on cold days.(スターリンクは、猫が寒い日に皿状のアンテナが熱を発することを発見するまで、うまく機能します)」とツイートされているように、お皿状になったアンテナが熱を発しているため、猫にとっては絶好のヒーター代わりになっているよう。結果、猫が乗っかった途端に通信は阻害されてしまったとのこと。
暖房付き猫ハウスより快適なパラボラアンテナ!?
このツイートに対し、18.5万件(2022年1月7日時点)のいいねが寄せられている。新年早々、世界中の人々がお猫様に癒された様子。「こ、これは…致し方無し」、「仕方ない。猫ちゃんの数+1個のアンテナを設置することにしよう」といった猫の可愛らしさにメロメロのコメントや、「通信妨害三獣士 *海底ケーブルを切断する蟹 *衛星通信アンテナに乗る猫 *[募集中]」と通信を阻害する3大要素の一つに認定するコメントも。
Aaron Taylorさんは暖房付きの猫ハウスを用意して立ち退きを交渉したものの、猫たちは熱を持ったスターリンクのアンテナを譲らず、マイナス25度の中で居座っているとのこと。さらにアンテナは融雪機能のためお皿の上だけでなく裏面やその下まで温かくなっているようで、猫だけでなく他の野生動物が寄ってくる可能性もあるようだ。
「技術者がどんなに知恵を絞っても想定外は起こるんだなあ…」というコメントの通り、予想外のトラブルはどこにでもつきもの。アンテナ設置場所問題、光害問題に続き、猫集まり問題にも取り組む必要があるようだ。
引用元:Starlink works great until the cats find out that the dish gives off a little heat on cold days.【Aaron Taylor(@Tippen22)氏】