1月21日、スマートフォンなどを中心に消費者動向を調査する「MMD研究所」が「2022年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」の結果を発表した。私たちの生活に浸透しているQRコード決済だが、一体どのくらいの人が利用しているのだろうか。最近ではQRコード決済市場の人気が低迷してきているというデータも……。今回は、MMD研究所の調査をもとに、QRコード決済の利用状況について伝える。
王者PayPay、今回も首位獲得で利用率は 45.4%
同調査は男女約4万5,000人を対象に2022年1月1日~1月5日の期間で実施されたもの。QRコード決済の認知・利用状況を見てみると「現在利用している」は全体の36.9%を占めた。普段の支払い方法でも「スマホ決済(タッチ式・QRコード式含む)」と回答した人は43.6%となっており、QRコード決済の浸透が伺える。
QRコード決済を現在利用している人を対象に「最も利用しているQRコード決済サービス」を確認すると、これまであらゆるQRコード決済ランキングで首位を獲得してきた「PayPay」(45.4%)が今回も堂々の1位に輝いた。次いで同率2位が「d払い」と「楽天ペイ」、4位「au PAY」、5位「メルペイ」という結果に。
QRコード決済サービスの絶対王者として不動の地位を確立しているPayPayだが、2021年7月の前回調査と比較すると利用率は0.7%マイナスとなっていることが分かった。そのほか、楽天ペイでは1.9%、d払いとau PAYでは0.1%減少しており、利用率の低迷が見受けられた。
利用率低下の理由は、サービス開始時ほどの魅力がないから?
QRコード決済全体の利用率が下がっているということなのだろうか。QRコード決済の利用開始時期について見てみると、「2020年1月~6月」が11.5%と最も多く、その後は7.5%~9.1%の間で横ばいをたどっている。また、利用状況では「利用したことはあるが、現在は利用していない」と回答した人は16.1%にものぼり、普及からわずか数年ながら既に“QRコード決済離れ”が始まっている、という見方もできそうだ。
新規登録者を増やすため、さまざまなキャンペーンを行ってきた各サービス。PayPayでは、過去には新規登録でPayPayボーナス500円相当がもらえる「はじめ特典」や1月12日まで行われる「総額10億円お年玉くじ」が通常より50回多く引けるなど、定期的に手厚いキャンペーンが実施されている。逆に言えば、この初回特典ほしさに登録したものの、使い勝手がイマイチだと感じた人が利用しなくなったというケースも少なくないだろう。
PayPayといえば最近、利用状況に応じてポイント還元率が変化する「PayPayステップ」でYahoo! JAPANが運営するサービスの還元率が1%から0.5%に半減。店舗での利用もサービス開始時は3%還元の時期もあったが、改悪続きで0.5%に落ち着ついてしまった。
各サービスのお得な還元キャンペーンを利用するため、メイン利用を1つに固定せず、そのときそのときでより還元率の高いサービスを使い分けている人も多そうだ。
還元率が下がったあと、どのようにユーザーを引き留めていくかが、今後のQRコード決済サービスの課題となりそうだ。
出典元:最も利用しているQRコード決済サービス、トップは「PayPay」で45.4%、次いで「d払い」「楽天ペイ」が16.7%【MMD研究所】
※サムネイル画像は(Image:「PayPay」リリースより引用)