退職者に対して支払われる「退職金」。企業からの「いままでありがとう」という想いが込められていたり、退職後に無収入となるタイミングの収入の補填に使われたりと、退職金は受け取る人によって様々な意味合いを持つことになる。実はそんな退職金制度が税制改正によって変更がかかり、2022年度から一部の人の退職金が減額されてしまうという。なかなか大事の話かと思いきや、その事実を知っている人が少数派であることが明らかとなった。
今回は、退職金制度変更の影響を受けてしまう人の条件や、調査から浮かび上がってきた退職への意識などについてお伝えしていきたい。
「退職金が減ってしまう」知っているのは5人に1人以下!
まず「退職金の減額」というのは課税によって手取りの金額が少なくなってしまうからであり、企業が支払う退職金の金額(額面)は変わらない。企業が社員を思う気持ちは変わらないのでそこは安心していただきたい。
2021年に決定し2022年4月から施行される税制改正によって、「勤続年数5年以下」かつ「退職金が300万円を超える」場合に課税額が増えて退職金が減ってしまうのだ。
サラリーマンにとってそこそこ重要な話でもある退職金の制度変更だが、JMRO(日本マーケティングリサーチ機構)が実施した「退職金制度」の調査結果によれば、このことを「知っている」と答えたのはわずか19.59%に留まった。5人に1人しかこの事実を知らないというのだ。
制度変更によって影響を受ける人は早急な判断を
ネット上からは退職金の制度変更に対し、「あら、そうなの」など多くの人が知らなかったという反応を見せていた。一方で「私は関係ないですがひどい話」「へぇーっと思ったけど『2021年の税制改正において、勤続年数5年以下で退職金が300万円を超える場合』って全然関係なかった」といった声も。「勤続年数5年以下・退職金300万円オーバー」という壁はなかなか低くないようだ。
先述の調査では、「(制度変更によって、今の仕事を)5年以上続けようと思う」「続けようか悩んでいる」という比較的前向きな意識を持つ人は75%を超えていた。しかし「なるべく早く辞めたい」という意見が12.30%存在していたことも事実。早く辞めたい派の人で「勤続年数5年以下・退職金300万円オーバー」に該当するエリートなサラリーマンはできるだけ早急に辞める辞めないを判断して、退職する場合は早急に行動に移して年度内には完了させていただきたい。退職金を損する人が一人でも少なくなることを願ってやまない。
出典元:日本マーケティングリサーチ機構は→こちら