キャッシュレス決済サービスの利用者が増え続けている。その理由の一つは「利用できる店舗数が増えていること」だろう。ただ、近年はサービスが乱立しており、どのサービスを利用するか、ということが利用者の悩みの種にもなっている。
では、「どのサービスがお得なのか…」という視点ではなく、店舗スタッフ側から見た調査結果を見てみたい。日本マーケティングリサーチ機構が実施した、店舗スタッフを対象とした決済サービスに関する調査。「店舗スタッフが最も導入してほしい決済サービス」「店舗スタッフが最もサポートが充実していると思う決済サービス」「店舗スタッフが最も安心感のある決済サービス」で楽天ペイが1位になったという。珍しい視点のランキング。楽天ペイが1位になった理由とは?
そもそも、なぜ店舗で決済サービスを取り入れるのか?
店舗側がキャッシュレス決済サービスを導入するメリットから考えていこう。
■顧客の取り込み
キャッシュレス決済サービスを利用したいユーザーからすると、サービスの有無が、利用するかしないかの選択基準の一つにもなっている。「ポイントを貯めたい」「現金よりも楽」など理由は様々だが、利用したいサービスのあるお店に行く、というユーザーが来店することは、新規顧客の獲得にもつながる。
■レジ作業の簡素化&混雑緩和
現金決済とキャッシュレス決済利用では、お金を出したり数えたりする手間が大きく違う。レジ時間が短縮されれば、店舗スタッフの稼働量も下げられ人件費の減少にもなる。また、混雑が緩和することで、来店客側にとっても会計待ちで並ぶ時間が減る。双方にとってメリットばかりだ。
■現金管理の手間を削減
現金決済だと、お釣りの準備や、レジ締め後の売上と残り現金の確認など、手間がかかる。キャッシュレス決済になれば、電子化されて対応時間も短縮でき、現金の出入りが減ることで、お釣りの渡し間違えなどのリスクも減る。
■店舗に置く現金の削減
現金を店舗に保管することは、盗難などのリスクにつながる。これはもしも、という話だが、盗難時の被害額も、保管されている現金が減れば、自動的に減る。これも実はメリットだ。
キャッシュレス決済を店舗が導入するメリットを挙げた一方で、これはどのサービスにも共通なのだが、それではなぜ楽天ペイが1位に選ばれたのか。楽天ペイの特徴から探る。
■会計作業がシンプルになる
アプリ決済だけでなく、クレジットカード、電子マネーの主要なブランドの決済を一括管理できるサービスがある。店舗側の専用アプリで直感的に操作ができ、スムーズにキャッシュレス決済の導入が可能とのことだ。また、利用控えの発行がペーパーレスで完結し、わずらわしい紙の管理が不要になる。店舗スタッフにとって、これは大きい。
■導入に際して初期費用完全無料
初期費用がかからず、しかも業種や規模を問わず、無料で申し込みが可能。維持費固定費も必要ないので手軽にキャッシュレス決済を始められる。
■業界最短の翌日自動入金
売上金は、最短で翌日自動入金(楽天銀行を振り込み指定口座に登録した場合)される。クレジットカードだと今月分をまとめて翌月末に入金といった事例もあるようだが、現金並みに回収が早い。※楽天銀行以外の金融機関の場合、入金依頼後、最短翌営業日に入金。(所定の振込手数料がかかる。)
このように、店舗側がデメリットと感じやすい点について、丁寧に応えている印象がある。店舗スタッフにとっても、店舗経営者にとっても、たしかに使い勝手が良さそうだ。
現在のQRコード決済業界は、業界最大手の「PayPay」が導入店舗数の多さを武器にシェアを広げている状況だが、店舗スタッフの声が経営層に届いて楽天ペイが普及したとなれば、QRコード決済業界のシェアにも異変が起こるかもしれない。
出典元:日本マーケティングリサーチ機構は→こちら
※サムネイル画像は(Image:「株式会社日本マーケティングリサーチ機構」プレスリリースより引用)