キャリアや就職・転職に関する研究や各種調査を行う機関「Job総研」の運営元株式会社ライボは2022年9月21日~26日、「2022年 電子マネー実態調査」を実施。20~50代の社会人男女860名から回答を得た。人々の生活に着実に浸透してきている電子マネー。来春には、給与のデジタル払いも解禁される予定となっており、今後さらに政府主導のキャッシュレス化が押し進められていくことになりそうだ。では、現状の人々のキャッシュレス決済の実態はどのようになっているのだろうか。ライボによる調査結果をご紹介していくこととしよう。
利用率9割超え。3種類使いわけは当たり前!?
まず、そもそも電子マネーを利用している人はどのくらいいるのだろうか。これについては、全体の93.6%が「利用している」と回答。利用していない人はわずか6.4%だった。さらに「利用している」と回答した人に対しては、利用している電子マネーの数についても質問しており、男性では3.3種類、女性では3.4種類を平均して使っている。年代別では20代が3.2種類に対して、30代では3.5種類、40代・50代では3.7種類と、年齢層が上がるほど、多くの種類の電子マネーを使いわける傾向にあることがわかった。
人気のサービスと、その理由
利用者の多くが数種類を使いわけている電子マネーだが、具体的にどのサービスの利用者が多いのだろうか。最も多かった回答は「Suica・PASMOなど(交通系)」で87.6%。通勤や通学の定期としても利用し、汎用性が高いためコンビニなどの支払いでもパッと利用しやすいだろう。
続いて、2番目に利用率が多かったのは「PayPay・LINE Pay・楽天ペイなど(QRコード決済系)」で81.1%。これらが2大巨頭となっている。以降は、46.2%と引き離されて3位「QUICPay・iDなど(クレジットカード系)」、4位「nanaco・WAON・楽天Edyなど(流通系)」32.7%が続く結果となった。
調査アンケートのコメントでは「物価が高騰しても賃金が上がらないので、電子決済時のポイント還元はとても助かります」「円安、物価上昇は今後続くので、キャッシュレス決済時のポイント付与はありがたい」など、円安や物価上昇対策として生活防衛の側面でのキャッシュレス利用も少なくないようだ。今後もポイントキャッシュバックや割引などをより頻繁に行うサービスに人気が集中していくのだろう。
多くの人が数種類を使いこなし、すっかりなじみも出ているキャッシュレスサービスだが、来春に待ち受ける給与のデジタル払いに関しての人々の考えはどうだろうか。認知度に関しては80.1%と高いものの、勤務先で制度が導入された場合の利用意欲では、「利用しない」28.7%、「多分、利用しない」32.1%と合算して60.8%が“利用しない派”。はじめは、キャッシュレス決済も恐る恐る利用しはじめて、ここまできた人も少なくないはず。利用率が高まってきて問題なく運用されることがわかれば、キャッシュレス決済同様に9割越えの利用率となる日がやって来るのかもしれない。
出典元:Job総研「2022年 電子マネー実態調査」【Job総研】
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