スマホ一つで簡単に買い物ができるQRコード決済。現金を持ち歩かなくていいことに加え、ポイント還元も付くため、基本的には現金払いよりもお得だ。ただし利用できる店舗が決められていることや、申込に手間がかかること、不正利用の危険性などリスクも多少あるため、まだ利用していない人も少なくない。それでは利用している人はサービスに満足しているのだろうか。今回はQRコード決済に対する満足度調査の結果を紹介しよう。
第1位はPayPayだが、2位以下は膠着状態
株式会社J.D. パワー ジャパンはQRコード決済サービスの総合満足度とロイヤルティに関する「J.D. パワー 2023年QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査℠」の結果を発表。本調査ではそれぞれのサービスを「決済手続き/管理」、「キャンペーン/ポイントサービス」、「利用できる店舗・ウェブサイト」、「セキュリティ/不正利用防止対策」、「アプリのアカウント設定」の5つのファクターにおいて計1,000ポイント満点で評価している。
第1位は業界最大手とも呼ばれる「PayPay」だ。660ポイントを獲得し、2年連続の総合満足度第1位となった。PayPayはそのうち「決済手続き/管理」、「キャンペーン/ポイントサービス」、「利用できる店舗・ウェブサイト」の3項目で最大評価を獲得した。決済や入金のしやすさ、還元率アップキャンペーンの豊富さ、提携店舗の多さが人気の理由だろう。第2位は「d払い」。PayPayのスコアが高く、業界平均には及ばなかったものの、「セキュリティ/不正利用防止対策」のファクターで最高評価を獲得した。大手携帯キャリアとして培われてきたNTTドコモのセキュリティ技術が発揮されているのだろうか。
ロイヤルティ改善にはさらなる付加価値が必要?
過去のデータと比較すると、総合満足度の平均値は過去最高を記録しており、継続意向(今後も続けて利用したい)、増額意向(利用金額を増やしていきたい)、推奨意向(家族・友人・知人などに薦めたい)の3項目からなるロイヤルティも最高値を記録した。なかでも継続意向は比較的大きく成長しており、これはPayPayを含めさまざまなQRコード決済サービスの利用可能店舗が増えたことや、定期的にポイント還元率が上がるキャンペーンなどが実施されていることから、利用を中断するきっかけを与えないようにしていると考えられる。
一方で、増額意向と推奨意向は2021年からほぼ横ばいの状態となっている。前述したようにサービスを辞めるきっかけはないが、これまで以上に使ったり他人に勧めたりするほどの魅力も感じないというのが現状だろうか。還元率を高めるキャンペーンや友人を招待することでポイントがもらえるサービスなどはあるが、それ以上の絶対的な付加価値が求められているようだ。持続的なサービス提供のためにも、増額意向と推奨意向の工場は取り組むべき大きな課題といえるだろう。
QRコード・バーコード決済サービスは全体としては成長しているものの、業界としての課題が浮き彫りとなった。またブランドごとにみてもPayPayが圧倒的な優位性を示す一方で、同業他社のサービスは頭一つ抜けることができないでいるのが現状だ。どのようにして、現状を打破し、ブランドの強みを発揮していくかが今後の命運を左右するだろう。
出典元:【株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパン/PR TIMES】
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