近年の不景気や年金の減少などを受けて、将来に備えて資産形成を行う若者が増えている。なかでも有名なのが、積立型投資信託の「つみたてNISA」と個人型確定拠出年金の「iDeCo」だ。これらは長期的に取り組むことを前提としたローリスク・ローリターンの資産形成方法で、若者や初心者向けといわれる。今回はそのような2つの資産形成についてのアンケート調査結果を紹介。現代の日本人は資産形成に対してどう考えているのだろうか。
8割以上が「将来のお金に不安を感じている」
株式会社ベター・プレイスは20代~70代の男女を対象に、「つみたてNISA・iDeCoに関するアンケート」を実施。まず「将来のお金について不安を感じているか」と質問。子育てや老後にかかるお金に対して、「不安」「とても不安」と回答した人は約82%にものぼった。子育てにはお金がかかり、老後も年金すら満足にもらえるかわからないというような状況であるため、よほど安定した収入がなければ将来への不安は大きいだろう。
「つみたてNISA」か「iDeCo」を利用についての質問では、76.2%が「どちらも利用していない」ことがわかった。利用率としては、iDeCoよりつみたてNISAのほうが高く、「どちらも利用している」と答えた人はわずか3.9%にとどまった。
また、それらの利用をはじめたいかどうか聞くと、約72%が「いいえ」と回答。つみたてNISAとiDeCoはどちらも税制優遇の対象であり、投資初心者にもオススメされているが、まだまだ普及しているとはいえないようだ。
資産形成をはじめない理由は「どの商品を購入すべきかわからないから」
それでは、なぜ7割の人はつみたてNISAやiDeCoを利用しないのだろうか。その理由として最も多く挙げられたのが「どの商品を購入してよいかわからないから」。投資信託にはさまざまな商品があり、業者が候補を絞ったり、すすめてくれたりはするものの、最終的には自分で選ばなければならない。通常の投資よりリスクは低いがゼロではないため、慎重になってしまい、「最初からやらない」という選択を取ってしまうのかもしれない。
そのほか「投資にまわすお金がないから」「手続きが面倒だから」という回答が挙がり、投資そのものに対してハードルの高さを感じていることが見受けられる。
一方、つみたてNISAやiDeCoを利用している層は、何をきっかけにはじめようと考えたのか。アンケートでは「インフレが進むなか、預金では損をすると思うから」という回答が一番多かった。近年の物価高騰によって実質的に収入が減少している状況下で、預金を眠らせておくよりは資産形成に回して少しでもプラスにしたいと考えているようだ。「将来に向けてお金を増やしたいから」という意見も多く、やはり、現在の収入や預金では不安だと感じているがゆえだろう。
今回の調査では、将来の不安を感じているにもかかわらず、投資や資産形成に取り組まない人が多いことがわかった。もちろんつみたてNISAやiDeCoを利用したからといって必ず利益が生まれるというわけではない。しかし、自分の世帯収入だけでは安心できないという人や年金を当てにできないという人は、まずは資産形成について調べるだけでも試してみるとよいかもしれない。
出典元:【株式会社ベター・プレイス/PR TIMES】