QRコード決済の「7pay」で不正利用問題が話題となっているが、「やっぱり不正利用の心配のない現金決済が一番だね!」なんて思っている人も意外と多いはず。しかし、支払いで使用できる貨幣には枚数制限があるのをご存じだろうか? 今回は意外と知られていない貨幣の利用枚数制限について解説しょう。
同一貨幣で20枚以上の支払いは受け取り拒否できる!
(Image:Rodrigo Reyes Marin / Shutterstock.com)
PayPay、7pay、ファミペイ、LINE Pay、楽天ペイ、Amazon Pay、d払い……。急速に普及し始めた日本のQRコード決済だが、あまりにも多すぎて何が何だかわからない状況になっている。しかも、7payは二段階認証もなく、4日間で約900人、5,500万円もの不正利用被害が出る始末だ。キャッシュレス社会が進んでも「やっぱり現金払いが最強だよね!」なんて思っている人もいるのでは?
確かに現金払いなら不正利用の心配などいらないだろう。しかし、貨幣には一度の支払いで利用できる枚数に制限があるのをご存じだろうか? 実は、日本の貨幣は昭和62年に公布された「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第7条」よって“同一貨幣の使用は20枚まで”と定められている。たとえば、コンビニの買い物をするとき1円玉だけで21円以上支払った場合、店側は受け取りを拒否することができるのだ。ただし、この場合でも店側が納得して受け取るなら問題はない。ちなみに、1円玉に10円玉や5円玉(それぞれが20枚以下)などを混ぜて支払った場合に、貨幣の合計が20枚以上になっても、お店側は受け取りを拒否することはできないのだ。
たとえば、1円玉だけで21円以上支払おうとしても、お店側は受け取りを拒否することができる
大量の小銭で支払うと商取引の効率が悪くなる!
「同一貨幣を20枚以上一度に使えないなんて初めて知った!」という人も多いだろう。では、なぜわざわざこのような法律が制定されたのか? その理由は意外と単純なものである。
まず、支払い時に大量の貨幣の枚数を数えるのはお店側の負担が大きいから。そして、多量の貨幣を保管するのが大変だからである。つまり、大量の貨幣で支払いされると、お店側の負担が大きく商取引の効率が悪くなるということだ。ちなみに、紙幣に関してはこのような規定はなく、たとえば、10万円を払うときに1,000円札だけ100枚を使っても、お店側は受け取りを拒否できないのである。だからといって、こんな支払い方をしていてはレジに行列ができて、ほかのお客さんにも迷惑がかかってしまう。やっぱりスマートにQRコード払いをしたほうがいいかも!?