メルペイスマート払いは、メルカリ内での支払いや実店舗でのiD、コード払いの代金を翌月以降にまとめて後払いできるサービスです。メルペイスマート払いの利用上限額は、基本的に自分で設定します。個人の利用状況によって設定できる上限値は異なり、定期的にメルペイ側で上限金額の見直しが行われています。
基本的には、本人確認を完了しており、かつ過去に金融事故などがなければ15万円前後程度の利用可能枠は比較的簡単に確保可能。2023年4月24日現在は、上限金額30万円まで設定できるようになっています。
一方、2020年夏に登場した「定額払い」には実質的なリボ払いとしての側面があるため、利用に注意が必要です。
(画像は「メルペイ」プレスリリースより引用)
またメルペイでは、アプリの利用実績などをもとにした「AI与信」を取り入れていますが、事前予告なしに、与信に変動があり限度額が下げられてしまうケースも。そこで今回はメルペイスマート払いは実際に「いくら程度まで使えるのか?」と利用におけるデメリットや注意点について紹介します。
メルペイスマート払いとは?
チャージ不要で利用できるメルペイスマート払いは、使った分だけを翌月にまとめて支払う仕組み。利用上限額を自分で設定できるほか、「メルペイ残高」または「自動引き落とし」による清算なら手数料はかかりません。
メルペイスマート払いの手数料
メルペイスマート払いの清算方法は「自動引き落とし」「メルペイ残高」「コンビニ」「銀行ATM」「定額払い」の5つから選択可能。コンビニとATMで現金清算する場合は、支払金額に応じて220円~880円の「清算手数料」が発生します。(23年4月24日現在)。
支払金額に応じた清算手数料は以下の通りです。
前述したようにメルペイスマート払いを「定額払い」にした場合は、年利15%の金利が発生します。
メルペイスマート払いを利用するメリット
メルペイスマート払いを利用するメリットは、主に以下の3つです。
・何回利用しても支払いを翌月にまとめることが可能
・手元に現金やメルペイ残高がなくても買い物可能
・利用上限金額を設定可能
これらのメリットについて、以下で詳しく紹介します。
何回利用しても支払いを翌月にまとめることが可能
メルペイスマート払いを使えば、当月の利用額を翌月にまとめて清算できます。「お店でも使えるメルペイスマート払い」の設定をすれば、全国のメルペイが使える実店舗でも利用可能。メルカリ内での支払いをはじめ、iD、コード払いもできます。
(画像は「iD公式サイト」より引用)
当月に何回利用しても翌月の支払に一括でまとめられるので、都度の支払を気に気にせずに買い物を楽しめます。
手元に現金やメルペイ残高がなくても買い物可能
メルペイスマート払いは後払いなので、メルペイ残高やポイントが0でも利用可能。設定した上限金額まで買い物できます。
(画像は「メルカリびより」より引用)
つまり、手元に現金やクレジットカードがなかったり、買い物のタイミングでチャージ残高が0でもメルペイスマート払いを使えば買い物ができるということ。急な出費や予算オーバーの際に便利です。
利用上限金額を設定可能
メルペイスマート払いでは、自分の希望に応じて利用上限金額の設定が可能です。利用上限金額は、メルカリアプリから自由に変更できます。これにより、自分の支払い能力や予算に合わせてメルペイスマート払いを使うことができ「使いすぎ」を防止できます。ただし、後述しますが設定可能な利用上限金額は個人によって異なります。
メルペイスマート払いのデメリット・注意点
便利なメルペイスマート払いですが、デメリットもあるので注意点と合わせて紹介します。
定額払いは「リボ払い」に近い
メルペイスマート払いでは、翌月以降の精算方法として「一括払い」と「定額払い」の2種類があります。一括払いはその名の通り、翌月に一括で支払う方法で「自動引き落とし」「メルペイ残高」「コンビニ」「銀行ATM」がこれにあたります。
一方、定額払いは、毎月決められた金額を支払う方法で、ほぼ「リボ払い」と同じ。利用金額や回数によって異なりますが手数料も発生し、最低でも年利15%相当と非常に高いため要注意。つまり、定額払いを選んで買い物を続けていると、長く返済が続き、利息分だけ多く支払うことになります。
AI与信によって突如上限額が「100円」などに下がることも
メルペイスマート払いの利用上限金額は利用者によって異なっており、取引状況や利用状況などから審査される「AI与信」というシステムによって決められています。利用者の支払い履歴や返済状況などによってAI与信の限度額は変動しますが、過去にはAI与信によって利用上限金額が「100円」などに大きく引き下げられたと報告されたケースも。
与信ロジックの変更が関与している可能性があり、AI与信に若干の不安定さや不透明さは利用デメリットのひとつと言えます。
利用上限金額が人それぞれで異なる
前述の通り、メルペイスマート払いにはAI与信が取り入れられており、利用上限金額は人によって異なります。審査方法などの詳細は明かされておらず、明確に「何円程度利用できるか」が利用前に分かりにくい点はデメリットです。なお、「定額払い」の場合の利用上限額は0~50万円です。
18歳未満の利用不可
メルペイスマート払いの利用は18歳以上の方が対象なので、18歳未満の方はメルペイスマート払いを申し込むことができません。また、メルペイスマート払いを利用するには、メルカリアカウントとメルペイアカウントの登録が必要です。これらの登録には、運転免許証やマイナンバーによる本人確認などが必要。なお、20歳未満の場合は保護者の同意が必要な点も注意しましょう。
メルペイスマート払いで遅延・滞納があった場合の影響
支払期限を過ぎても清算しなかった場合は、メルペイスマート払いが利用できなくなるなどのペナルティが発生します。
延滞手数料や遅延損害金の発生
メルペイスマート払いでは、買い物した翌月の1日から末日までの間で、自分の都合の良いタイミングで清算日を設定し、一括で支払えるのが特徴。しかし、期限内に清算できなかった場合、選択した清算方法に限らず年利14.6%の遅延損害金が発生します。実質的なリボ払いである定額払いの場合は、さらに高額な支払いが請求されるようになるため要注意です。
メルカリのサービス利用を停止されてしまうリスク
2022年3月15日までは、ペナルティとして2週間ごとに延滞事務手数料300円が発生していましたが、2022年3月16日以降は「新規の加算停止」というペナルティに変更されています。つまり、メルペイスマート払いの支払いが遅れると、清算が完了するまでメルペイスマート払いが使えなくなるということです。長期に渡る未清算がある場合は、無期限のアカウント停止になる可能性もあるため注意しましょう。
金融事故として個人信用情報に登録
メルペイスマート払いによる後払いは、AI与信などの信用サービスをもとに利用できるサービスです。そのため、期限までに返済しないと「信用サービスの利用履歴」に傷がつき、金融事故として記録が残ります。クレジットカードやローンなどの審査にも影響がでるため、注意しましょう。
メルペイスマート払いの申し込み方法と審査基準
メルペイスマート払いの申込み方法と審査基準について紹介します。
申し込み方法の詳細
以下の手順で申し込みできます。
定額払いの申し込み方法
「定額払い」の申し込みもアプリから簡単にできますが、前述したデメリットを理解したうえで利用しましょう。
(画像は「メルペイ公式サイト」より引用)
メルペイスマート払い(後払い)で購入した商品の中から、定額払いに変更したい商品を選択し「定額払いの設定」を設定します。
定額払いの審査基準と審査過程
定額払いを利用するには、審査を通過する必要があります。審査結果は、申し込みと本人確認書類の提出後から1~2日程度で通知が届きます。状況により3日以上かかるケースもあります。
メルペイスマート払いに関するFAQ
メルペイスマート払いに関する「よくある質問」をまとめました。
通常のメルペイスマート払いと定額払いの違いは?
メルペイスマート払いの清算方法は、通常のメルペイスマート払い(後払い)と定額払いの2種類があります。通常のメルペイスマート払いは、購入月の翌月に自分で「清算日」を定め、その期限内に利用した分を一括で支払う方法です。定額払いは、毎月末日に一定額を支払う方法で支払額は1,000円~13,000円の間で設定します。定額払いの場合は、利用金額に応じた手数料15%が上乗せされるため、通常のメルペイスマート払い(後払い)よりも支払い額が多くなる点に注意しましょう。
メルペイスマート払いの滞納後に利用を再開することはできる?
滞納していても、支払いが完了すればAI与信の判定次第で利用を再開できる可能性はあります。しかし、長期間の滞納や延滞回数によってはアカウント停止になるケースもあり、再開したとしても利用上限金額が下がる可能性があります。
メルペイスマート払い以外のメルカリ内で使える後払いサービスは?
知名度の高い後払いサービスには「ペイディ」「NP後払い」「atone」などがありますが、いずれもメルカリ内での支払には非対応。メルカリでの支払いには、メルペイスマート払いを利用しましょう。
まとめ
手持ちのお金が0やチャージ金がなくてもお買い物できる「メルペイスマート払い(後払い)」は、個人によって異なりますが上限金額30万円まで設定可能。ただし、清算方法によっては手数料が発生します。
とくに、実質的な「リボ払い」と同じ「定額払い」にしてしまうと、年利14.6%の利息がかかってしまうため要注意。「メルペイスマート払い(後払い)」の上限金額は自分で設定できるため、自分の支払能力に応じた額を設定し、できるだけ「定額払い」は利用しないことをおすすめします。
※サムネイル画像(Image:「メルペイ」プレスリリースより引用)