キャッシュレス・QRコード決済の王者「PayPay」の改悪がすすんでいる。2023年8月1日から他社クレジットカードが利用できなくなる。SNS上でも、さすがにこれはやりすぎだろうとの声が相次ぎ、炎上状態に。それをうけてソフトバンクの宮川潤一社長は、6月20日の株主総会で「延期を含めて検討がはじまったと聞いている」をのべた。
8月からPayPayで使用できるクレカは系列カードのみ
PayPayの「他社クレジットカード利用停止」とは、どういうことだろうか。すこしおさらいしておこう。「PayPay」は、2023年8月1日からPayPayカード株式会社が発行するクレジットカード以外は利用できなくなる。つまり「PayPayカード」と「PayPayカード ゴールド」のみ決済可能で、自社グループのクレジットカードに限定するというもの。それに先立ち、同年7月5日より、他社のクレジットカード新規登録を停止も決定している。
これには批判が相次ぎ、親会社であるソフトバンクの株主総会で宮川潤一社長が株主の質問に答える形で「延期も選択肢に検討がはじまったと聞いている」と発言。また、継続してほしいという声が複数寄せられているとも述べた。また、PayPay関係者によると、停止の延期だけではなく、取りやめも含めて検討しているとの情報もあり、自社グループで独占的に”王者”の囲い込みは計画倒れになる可能性もある。
ポイント狙いなら、PayPay以外の決済方法がおトクな場合も
PayPayのポイント還元率については、条件をクリアすると上がるステージ「PayPay STEP」の条件達成が必要だ。最大還元率の2%を達成するには、PayPayあと払いに登録していることを前提に、PayPayとPayPayカード、PayPayカード ゴールドで1カ月間に300円以上の支払いを30回以上および、10万円以上の利用などをクリアしなければならない。これだけ厳しい条件をクリアしても、ポイント還元率が2%しかないのは、ユーザーファーストとは言い難いのではないだろうか。
PayPayの特長は使える店が多いことや個人間送金が便利など、ポイント還元以外で多いが、ポイントを狙ってキャッシュレス決済を利用する場合は、PayPay以外の決済の方がおトクなことも。ポイントの二重取りや三重取りも一般的になってきた近年、PayPayの使用可能なクレジットカードを限定することは、時代の流れに逆行しているように感じられる。
もし、他社クレジットカードを利用停止が延期になるのなら、間近に迫った7月5日のクレジットカードの新規登録停止はどうなるのだろうか。PayPayは「延期も含めて検討中で、公表できる事実があれば速やかに公表する」としているが、早めの決断が待たれる。
引用元:【PayPay】
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