「スマホ=財布」と考える20代は約9割、60代では? 世代間で認識にズレ【経済産業省調べ】

クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド)などを活用して支払いを行う“キャッシュレス決済”。中でも「QRコード決済」は、カードや現金を持ち歩いていなくても、スマホ1つで支払いが完結するため非常に便利ですよね。

もはや、連絡手段だけにとどまらないスマホですが、「スマートフォンが財布の代わりになる」と考える人はどれほどいるのでしょうか? そこで今回は、キャッシュレス生活基盤推進協会が実施した「2023年キャッシュレス決済サービス実態調査」を紹介していきたいと思います。

支払い時のキャッシュレス決済利用率は36.0%!

日本におけるキャッシュレス決済額及び比率の推移。2010年から2022年にかけて年々上昇しています(「経済産業省」調べ)

キャッシュレス決済額及び比率の内訳の推移。2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%(111兆円)で、その内コード決済が2.6%(7.9兆円)という結果に。キャッシュレス決済サービスの中では低い割合になっています(「経済産業省」調べ)

経済産業省が2023年4月6日に発表した「2022年キャッシュレス決済比率」によると、キャッシュレス決済比率は年々上昇傾向にあり、2022年には全体で36.0%(111兆円)に達しています。中でも、最も多かったのは「クレジット(30.4%)」による決済で、コード決済は2.6%(7.9兆円)でした。

こうした現状を受けて、キャッシュレス生活基盤推進協会は「キャッシュレス決済サービス(QRコード決済サービス)」に関するアンケート調査を実施。20代~60代の男女500名を対象に、“キャッシュレス決済サービスの捉え方に違いがあるのか”をリサーチしました。

スマホと財布に対する考え方は、20代と60代で異なることが判明!

「スマートフォンがお財布の代わりになる」と考える20代の割合。スマホを財布の代替品と認識する人は9割を超えています(「キャッシュレス生活基盤推進協会」調べ)

「スマートフォンがお財布の代わりになる」と考える60代の割合。半数以上は「代わりになる」と思っているものの、20代よりは少ない結果に…(「キャッシュレス生活基盤推進協会」調べ)

まず、同調査では、20代と60代にそれぞれ「あなたはスマートフォンがお財布の代わりになると思いますか」と質問。すると20代では92.0%が、60代では56.0%が「はい」と回答。世代間によって、スマホに対する価値観に差があることがわかりました。60代の人たちもキャッシュレス決済サービスを利用してはいるものの、現金も併用する割合が高いのかもしれません。

「財布を軽くしたい小さくしたい」と考える60代は44.0%で半数以下。現金やカードなどが入った財布を持ち歩いていても、半数以上の人たちはそこまで不便に感じていないようです(「キャッシュレス生活基盤推進協会」調べ)

続いて「あなたは現在、お財布を軽くしたい、小さくしたいと感じていますか」と尋ねたところ、「はい」と回答したのは、20代が76.0%、60代が44.0%という結果に。お財布を小さくしたい理由としては、「キャッシュレス決済ができれば支払えるから」「キャッシュレス決済があれば困ることがないから」「キャッシュレス決済が使用できるお店にしか行かないから」「現金を持ち歩きたくないから」などの回答があがり、とくに若い世代ほど“財布は不要”という思いが伝わってきます。時代に合わせて、財布のあり方が変わってきているのではないでしょうか。

キャッシュレス決済サービスの利便性を感じる人は約8割!

キャッシュレス決済サービスを“お得で便利”だと感じる人は82.9%で高い割合に。しかし中には、お得さや便利さを感じていない声も…(「キャッシュレス生活基盤推進協会」調べ)

なお、キャッシュレス決済サービスを“お得で便利”だと感じる人の割合は82.9%でした。“お得に感じる理由”に関しては「チャージ手数料がかからない」「現金を持ち歩くリスクが減る」「タイミングにより還元率が増す」などのコメントが寄せられており、“便利だと感じる理由”には「所持しているクレジットカードや銀行口座とひもづけできる」「ポイント自体が使いやすい」「現金がなくても買い物ができる」といった意見が見られました。

一方で、“お得さや便利さを感じていない理由”として「所持しているクレジットカードや銀行口座にひもづけてもポイントがもらえない」「災害時は使えない場合がある」などの回答が。スマホでのキャッシュレス決済サービスを利用するうえで、所持しているクレジットカードや銀行口座とのひもづけはマスト。しかし、それらから現金をチャージしても、方法や種類によってはポイントが貯まらないケースも多いため、キャッシュレス決済における“お得感”が得られないのかもしれません。

また、突然のトラブルや災害などで、スマホや決済アプリが機能しなくなる可能性も考えて、現金の必要性を感じる人も一定数いるようです。

とはいえ、現在、多くの人がキャッシュレス決済サービスを利用しているのは事実。将来的にスマホを活用した支払いが当たり前の時代になれば、財布を持たなくなる人も益々増えてくるのではないでしょうか。

※「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。

出典元:【キャッシュレス生活基盤推進協会/@Press
出典元:【経済産業省「2022年キャッシュレス決済比率」

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

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