ユーザーが20億人を超える世界最大SNS「Facebook」が、仮想通貨事業に参入することを発表しました。開始時期、参加企業、そしてFacebookの仮想通貨では何ができるのか? などについてまとめてみました。
Facebookの仮想通貨「リブラ」の概要
(Image:Mercigod / Shutterstock.com)
Facebookは2019年6月18日に、(暗号資産)事業に参入することを発表しました。以下はその概要です。
(1)名称
「Libra(リブラ)」
(2)サービス開始時期
2020年上半期予定
(3)参加する主な企業
Master card、VISA、UBER、 PayPal、ebay、Spotify等
※なお、「リブラ」の運営を行なうのはスイスのジュネーブに本部を置く「リブラ協会」という団体であり、Facebookは協会に参加する他企業と対等の立場という位置付けである。しかし、この計画は実質的にFacebookが主導でおこなっているため本記事では「Facebookの仮想通貨」と表記している。
(4)参加する企業の評価基準一例
・市場価値が10億アメリカドル以上、もしくは顧客残高が5億アメリカドル以上
・複数の国に対して年間2,000万人以上がリーチしている
このように、「リブラ協会(2019年7月現在28社)」に参加するのは世界的に見てもかなりハードルが高いといえます。
「リブラ」でできること
(Image:Ascannio / Shutterstock.com)
2019年7月現時点、リブラでは以下のようなことができるようになると予想されている。
・Facebookが展開しているMessengerやWhatsAppといったサービスを使って無料で転送
・国際間の送金、決済
なお、リブラの使用は「リブラ協会に参加している企業間のみで可能」です。
例えば、VISAやMastercardを使えるサービスではリブラが使えるようになると思いますが、JCBしか対応していないサービスや店舗ではリブラは使えないでしょう。
ただ、Facebookは現在28社であるリブラ協会をサービス開始までには100社増やすことを予定しています。
日本における「リブラ」の扱いは未だ不透明
なお、日本においてリブラがどういう位置付けになるかは未だ議論の最中であり、不透明です。そもそもリブラが「仮想通貨扱い」になるのか、それとも「通貨建て資産扱い」になるのかも決まっていません。
おそらく2019年中にはある程度の見通しが出るとは思いますが、どうなるかは静観するしかないでしょう。
まだまだ不透明な点が多い「リブラ」。しばし静観
このように、リブラは「とても使い勝手の良い仮想通貨」になる可能性を秘めてはいるものの、まだまだ不透明な点が多いのも事実です。
特に日本においては法律的な扱いすら決まっていません。Facebookから詳報が発表されるまでは、しばし静観といったところでしょうか。