多くの人が一度は経験したことがあるだろう「一人暮らし」。近年では晩婚化や未婚化、少子高齢化などの影響もあり、一人暮らし世帯は上昇傾向にあるようだ。2020年の国勢調査によれば、東京都内の場合、世帯全体の半数を超える50.26%が一人暮らしだという。
ひと月の平均貯金額は27,812円。貯金したい理由は「将来・老後のため」が断トツ
ひと口に一人暮らしと言っても年齢や、収入などさまざまだが、やはり気になるのは「経済事情」。AlbaLinkが運営する「訳あり物件買取プロ」が、10代~60代以上の一人暮らし男女506人を対象に「貯金額」に関するアンケート調査を実施。その結果を発表した。
まず「月の貯金額」を訊いたところ、最も多かったのが「10,000円超~20,000円以下」で22.2%。以下、2位「5,000円超~10,000円」(19.0%)、3位「20,000円超~30,000円以下」となった。全体平均は27,812円となったものの、実際には10,000円以下の人が約4割を占めており、貯金額の多い一部の人たちが、平均を押し上げる形になっているようだ。まったく貯金ができていない人も約1割いることがわかった。
なお、「ひと月の理想の貯金額」を尋ねた結果は、「40,000円超~50,000円以下」(34.0%)が最多となっており、平均額は60,526円。実際のところ、理想と現実の開きはかなりありそうだ。
「貯金をしたい理由」としては、「将来・老後のため」の回答が、506人中311人で圧倒的1位に。人生100年時代の今日、年金制度や医療保険制度の今後も含めて考えると、少しでも蓄えを増やしておきたい、と思うのは当然のことか。「ほしいものがあるわけではないが、お金がないと不安」「年金だけでは不安」「退職後にゆとりある生活を送りたい」といった回答も目立った。
レポートでは、「老後の収入(年金、退職金、働き続ける場合の給料など)」と、「老後の支出(生活費、旅行費用など)」を計算したうえで、支出と収入の差額をもとに「毎月の貯金額」を決めることをすすめている。
「賃金が上がらない」「物価が高い」…貯金がなかなかできない現実
最後に「貯金が難しいと感じる理由」を尋ねた結果、1位「収入が少ない」(152人)、2位「生活費がかさんでいる」(145人)が圧倒的多数を占めた。名目賃金は増える一方、物価の上昇が続き、実質賃金は2022年7月までで、16カ月連続でマイナスとなっている現状が如実に表れた結果になっているようだ。
レポートでは今回の調査を受けて、収入が低いことで貯金できない場合、副業で補うなどの方法を考えてみたり、支出が多い場合は家賃などの固定支出の見直しをすすめている。副業の可否や通勤・通学時間との兼ね合いなど、実際には難しい部分もあるだろうが、まずは検討してみるのがよいだろう。
出典元:【株式会社AlbaLink】
参照元:【東京新聞】
参照元:【日本経済新聞】