年金手帳とは、年金加入記録を管理する「基礎年金番号」が記載された手帳のこと。つまり年金加入が義務付けられた日本在住者なら、絶対に1冊は持っているはずなのだ。しかし、世の中には年金手帳を2冊以上持っているという人もいる。これってどうすればいいの? 色の違う手帳に何か意味はあるの?
年金手帳は青色以外にもいろんな色がある!
皆さんは年金手帳を持っているだろうか? 年金は日本在住で20歳以上なら外国人であっても加入する義務がある。年金に加入すれば、必ず日本年金機構から年金手帳が交付されているはずだ。年金手帳は、年金加入記録を管理する「基礎年金番号」が記載されている大切なものなので、1冊も持っていないという人はすぐに再発行してもらおう。
だが、この記事を読んでいる人のなかには「オレンジ色と青色の2冊持っている」という人もいるはずだ。実は、表紙がオレンジ色の年金手帳は、1974年(昭和49年)の11月~1996年(平成8年)12月まで発行された古い年金手帳。1996年12月より「基礎年金番号制度」が開始されたことにより、1997(平成9年)年1月からは、青色の年金手帳に切り替わったのだ。つまり、現在43歳以上の人は2種類の年金手帳を持っている可能性が高いのである。ちなみに、1974年(昭和49年)9月以前にはオレンジ色や青色以外の色(茶色・水色・肌色など)の「国民年金手帳」も存在している。
■年金手帳が複数ある場合の注意点
【すべて青色】
基礎年金番号が二重に払い出されている
【青色とそれ以外】
基礎年金番号で管理できない記録がある可能性がある
【すべて青色以外】
基礎年金番号通知書があるかどうか確認しよう。通知書に記載された番号が基礎年金番号である。通知書が見つからない場合、青色の手帳を発行してもらう必要がある
※上記のいずれかに該当する人で、現在、厚生年金に加入している人は会社へ、それ以外は年金事務所で確認したほうがよい
年金手帳の色が異なるのは、年金手帳が支給された時期の違いによるもの。年金には国民年金や厚生年金など複数の制度があり、かつては退職したり転職するたびに異なる手帳が交付されていた。そのため、何冊も年金手帳(番号)を持つ人がおり、保険料の納付記録が正しく記録されていない人が大量に出てきたのだ。そこで政府は年金制度を改革し、1冊の年金手帳(基礎年金番号)ですべての年金を管理できるよう、現在の青色の年金手帳に一元化したのである。ちなみに、オレンジ色と青色の2冊の年金手帳を持つ人には、1996年(平成8年)12月に「基礎年金番号通知書」が送られているが、ここには一人にひとつ払い出された“基礎年金番号”が記載されている。基礎年金番号によって一元化された保険料の支払い記録がすべて連続していれば問題ないが、もし、途切れている場合は年金事務所に問い合わせよう。また、青色の年金手帳が複数ある場合も要注意。二重に基礎年金番号が払い出されているので、今すぐ年金事務所で確認したほうがよい。
●日本年金機構は→こちら