厚生労働省の調査によると、平成29年度の国民年金保険料の納付率は66.3%。なんと3割以上が保険料を払っていないのだとか……。しかし、国民年金の保険料支払いは“国民の義務”。未納のまま放置していると大変なことになるって知ってた?
年金未納での財産差し押さえは実際に行われている!
国民年金は、日本国内に居住している20歳以上の者に加入が義務付けられている。それにもかかわらず、「将来もらえるかどうかわからない」「長生きしないから年金なんていらない」などといった理由で保険料を納めない人は多い。実際、厚生労働省の調査によると、平成29年度の国民年金保険料の納付率は66.3%。なんと3割以上が保険料を払っていないのだとか……。しかし、保険料を納めずに放置していると、将来とんでもないことになるのをご存じだろうか?
まず、年金未納者には「督促状」が届くが、これを無視していると「最終催告状」が送られてくる。この段階でも無視していると「強制徴収」が待っているのだ。「強制徴収」とは“財産の差し押さえ”のことである。これは脅しではなく、日本年金機構によると、平成29年12月~平成30年1月には全国3万7,780人の保険料未納者に対して、財産調査や差し押さえ手続きが実施されたという。国民年金をなめてはいけないのだ。
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未納となっている保険料の「強制徴収」は、実際にかなりの件数が行われている。国民年金を軽く見てはいけない
年収300万円以上で保険料未納の人は要注意!
かつて国民年金保険料は取り立てが甘く、差し押さえ予告が来ても実施されることは少ないと言われていた。しかし、年金未納者が3割以上もいる現在では「最終催告状」が来た時点で「納付」か「免除」の手続きを取らないと、本当に強制徴収が実施されるのだ。
強制徴収対象の条件は年々厳しくなっており、かつては年収400万円(控除後所得額)以上で未納期間が7カ月以上だったが、平成30年度では年収300万円以上で未納期間が7カ月以上の者が対象となっている。もし、アナタがこの強制徴収対象者の条件に当てはまるなら、いずれ財産の差し押さえが実施されることになるのだ。今はマイナンバー制度が導入されているので財産調査も容易である。強制徴収を逃れることは難しいだろう。
なお、2018年9月までは過去5年以内の未納保険料を後納することができたが、現在では2年前までの保険料しか支払えない。強制徴収がイヤなら今すぐ保険料を支払おう。もし、支払いが経済的に難しい場合は「免除」や「猶予」制度もあるので、とりあえず年金事務所に相談してみよう。
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