今更聞けない「マイル」「マイレージ」の基本と使い道!陸マイラー向けの貯め方も

「マイル」とは、主に飛行機に乗ると貯まる航空会社のポイントのこと。実は飛行機に乗らずともマイルを貯める方法もあります。

とはいえ「マイルってよく聞くけど、飛行機以外ではどうやって貯めるのかよくわからない」「貯まったマイルはどうすればいいのかな?」という人も意外と多いのでは?今回は今更聞けない「マイル」「マイレージ」の基本と使い道、飛行機に乗らずにマイルを貯める方法などを詳しく解説します。

「マイル」「マイレージ」とは?

まずは「マイル」と「マイレージ」の基本をおさらいしましょう。

「マイル」「マイレージ」とは?

マイルとは、航空会社のポイントプログラムで貯まるポイントのことです。飛行機に乗るたびにマイルが貯まり、一定のマイルが貯まったら特典や他のポイントと交換する航空会社のポイントプログラムをマイレージと呼びます。マイルは、飛行機に乗るだけではなく、クレジットカードを利用したり、他のポイントと交換することでも貯まります

貯めたマイルの使い道:使えるのは飛行機だけなの?

飛行機の特典航空券や座席のアップグレードに使えるのはもちろんですが、先の画像にもあるように、電子マネーや他社ポイントへの交換の対象にもなります。つまり、飛行機の搭乗以外でも、マイルはポイント交換を通じて日常生活でも使えます。

貯めたマイルの使い道:使えるのは飛行機だけなの?

例えばANAマイルでは、10,000マイルで10,000円分の楽天EdyやTポイント10,000ポイントへ交換可能。また、JALマイルでは10,000マイルで10,000円分のWAONやdポイント10,000ポイントへ交換できます(ロゴは各公式サイトより引用)

日常生活で貯める「陸マイラー」もいる

「陸マイラー」とは、飛行機に乗らずに陸の上で航空会社のマイルを貯める人のことを指します。

日常生活で貯める「陸マイラー」も居る

陸マイラーは、クレジットカードのポイントプログラムや、ショッピングや食事などの日常生活でのポイント活動を通じて、航空会社のマイルを貯めていきます。他のポイントを貯めて、マイルへ交換する人も多いです。陸マイラーは、年間数十万単位でマイルを貯め、特典航空券に交換して世界を旅する人もいます(ロゴは各公式サイトより引用)

マイルの貯め方

マイルを貯める方法をそれぞれ解説します。

飛行機(フライトマイル)

航空会社のマイレージプログラムでは、フライトの距離やクラス、会員ランクに応じてマイルが貯まります。

例えばJALとANAの東京・羽田空港から沖縄・那覇空港までのフライト(片道)で貯まる区間マイル数は、984マイルです。基本的にフライト距離が長いほど区間マイル数は高くなります。この区間マイル数に、運賃種別ごとの積算率を掛けて、実際に付与されるマイル数が算出されます。

貯めたマイルの有効期限は、JALもANAも基本的に3年間(36カ月)です。ただし、一部期間限定マイルなどがあるほか、コロナウイルス感染拡大に伴い有効期限延長措置が採られています。

参考元:JAL
参考元:ANA

クレジットカードの支払:陸マイラーにおすすめ

クレジットカードの利用により、マイルを貯める方法もあります。

クレジットカードの支払い:陸マイラーにおすすめ

航空会社と提携しているマイル系クレジットカードを利用することで、クレジットカード利用額に応じてポイントが貯まり、お得な交換レートでマイルへ交換してマイルを貯めることができます。ショッピングマイルとも呼ばれます。また、ポイント還元率の高いクレジットカードを利用することで、ポイントをマイルに交換する方法もあります(画像は各公式サイトより引用)

ポイントサイトでマイルに交換

ポイントサイトを利用してマイルを貯めることもできます。ポイントサイトとは、アンケートに答えたり、広告をクリックしたり、商品を購入したりすることでポイントが貯まるサイトです。貯まったポイントを航空会社のマイルに交換できます。

どのマイレージプログラムに参加すべき?航空会社ごとの違い

マイレージプログラムは航空会社ごとに提供されており、日本で代表的なものだと日本航空(JAL)が提供する「JALマイレージバンク」や、全日本空輸(ANA)が提供する「ANAマイレージクラブ」があります。

例えばJALマイルは、JALの飛行機に搭乗したときだけでなく、JALが提携している航空会社の飛行機に搭乗したときにも貯まります。JALはワンワールドというエアラインアライアンス(航空連合)に加盟しており、ワンワールド加盟航空会社に搭乗した場合もJALマイルが貯まります。

一方、ANAはスター アライアンスに加盟しており、スターアライアンス加盟航空会社に搭乗した場合、ANAマイルが貯まります。

ワンワールドとスターアライアンスに加盟している航空会社一覧は以下の通りとなります。

スターアライアンス(ANAが加盟) ワンワールド(JALが加盟)
エーゲ航空
エアカナダ
中国国際航空
エア インディア
ニュージーランド航空
アシアナ航空
オーストリア航空
アビアンカ航空
ブリュッセル航空
コパ航空
クロアチア航空
エジプト航空
エチオピア航空
エバー航空
LOTポーランド航空
ルフトハンザ ドイツ航空
スカンジナビア航空
シンセン航空
シンガポール航空
南アフリカ航空
スイス インターナショナル エアラインズ
TAPポルトガル航空
タイ国際航空
ターキッシュ エアラインズ
ユナイテッド航空
アラスカ航空
アメリカン航空
ブリティッシュ・エアウェイズ
キャセイパシフィック航空
フィンエアー
イベリア航空
マレーシア航空
カンタス航空
カタール航空
ロイヤルエアモロッコ
ロイヤル・ヨルダン航空
スリランカ航空

なお、アライアンス加盟航空会社以外にも、一部個別で提携している航空会社もあります。

【詳細】ANAの場合

ANAが提供するポイントプログラムは「ANAマイレージクラブ」といい、入会金・年会費は無料です。

【詳細】ANAの場合1

ANAマイレージクラブはデジタルカードであればインターネットから必要事項を入力し、即時発行可能。ANAマイレージクラブ会員に登録すると、マイルが貯まるだけでなく、Webサイトやアプリの自分専用のページからフライトの予約確認や変更が簡単に行えます

(画像引用元:ANA公式サイト

【詳細】ANAの場合2

ANAのクレジットカード「ANAカード」に入会すると、入会時・毎年のカード継続時にボーナスマイルが貯まります。また、ANAのモバイルペイメントサービス「ANA Pay」では、200円の支払で1マイルが貯まり、1マイル=1円相当で利用することも可能です

(画像引用元:ANA公式サイト

【詳細】ANAの場合3

マイルとは別に、1年間に利用した搭乗分について「プレミアムポイント」が積算され、ポイント数に応じて翌年のプレミアムステイタスが決定します。プレミアムステイタスを獲得すると、専用サービスデスクの利用や座席クラスのアップグレード、ANA LOUNGEが利用できるほか、搭乗のたびにフライトボーナスマイルが貯まります

(画像引用元:ANA公式サイト

ANAで特別なステイタスを獲得した人だけが利用できるクレジットカード、スーパーフライヤーズカードを取得するための「修行」方法については、こちらをご覧ください。

【詳細】JALの場合

JALが提供するポイントプログラムは「JALマイレージバンク」といい、こちらも入会金・年会費は無料です。

【詳細】JALの場合1

オンライン入会サイトより手続きすれば、JALマイルを貯めるのに必要なお得様番号を即時取得できます。JALマイレージバンクに入会すると、JALマイルを貯めることはもちろん、航空券の予約、購入、Webチェックインが可能に。会員限定のキャンペーンも不定期で行われています

(画像引用元:JAL公式サイト

【詳細】JALの場合2

貯まったマイルは、特典航空券への交換のほか、JALグループ航空券の購入や機内販売・ホテルでの支払などに利用できる「JALクーポン」へ10,000マイル=12,000円相当へ交換できます。また、10,000マイル=11,000円相当で「JAL Global WALLETマイルチャージ」のポイント残高に交換し、世界各国のMastercard加盟店やスマートフォン決済「JAL Pay」で利用できます

(画像引用元:JAL公式サイト

【詳細】JALの場合3

JALのステイタスプログラムは、2024年1月から新しいプログラムへ移行予定。搭乗・航空以外のサービスのポイントが生涯累計されるシステムが採用される予定です

(画像引用元:JAL公式サイト

JALの上級会員サービスJALグローバルクラブへ加入するための「修行」方法については、こちらの記事を参考にしてください。

基本的にフライトで貯まるマイルは、以下のように計算されます。

フライトで貯まるマイルの計算方法は?

区間基本マイレージ数はフライト距離が長いほど高くなり、積算率はプレミア運賃など高い料金タイプの座席ほど高くなります。ANAの場合、積算率は50~150%まで設定があります

飛行機に乗るだけだと貯まりにくい……それでもマイルを貯めるメリットは?

マイルを貯める最大のメリットは、やはり正規の値段で購入すると高額な特典航空券を無料で獲得できることでしょう。クレジットカードの利用で貯まるポイントには様々な種類がありますが、マイルを特典航空券に変えるのはもっとも還元率が高くなるポイント活用法のひとつ。旅行好きな人や帰省など定期的に飛行機に乗る必要がある人にはたまらないメリットです。

陸マイラー向けのおすすめクレジットカード3選【ANA】

「あまり飛行機に乗らないけれどマイルを貯めたい」というANAマイルの陸マイラーにおすすめのクレジットカード3選をご紹介します。

ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD(ソラチカゴールドカード)

ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD(ソラチカゴールドカード)は基本還元率が1.0%でメトロポイントとOki Dokiポイントを貯めることができます。そのメトロポイントとOki DokiポイントはANAマイルに交換できるため、マイルを効率よく貯めることができます。

ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD(ソラチカゴールドカード)

PASMO利用でもポイントが貯まるため、普段東京メトロを使っているという陸マイラーにもっともおすすめなカードです。搭乗ボーナスマイルも25%付与されます。年会費は1万5,400円かかりますが、ハイクラスカードの中では安めといえるでしょう

(画像引用元:ANA公式サイト

国際ブランド JCB
入会資格 20歳以上(学生不可)で
本人に安定継続収入のある方
年会費(税込) 15,400円
家族カード年会費(税込) 2,200円 / 枚
利用可能枠 支払可能見込額に経済産業大臣が定める割合(90%)を乗じた金額の範囲内で設定
締め日/支払日 15日/翌月10日
ANAマイル還元率 1.0%~
海外旅行傷害保険 最高1億円
国内旅行傷害保険 最高5,000万円
ショッピング保険 年間最高500万円まで
※自己負担額 1事故につき3,000円
※購入日から90日間

 ANAカード(ワイドゴールドカード)

ANAカード(ワイドゴールドカード)はマイル還元率1.0%。さらに特約店(「ANAカードマイルプラス」加盟店)で利用すれば還元率が2倍、つまり2.0%の還元率となります。

ANAカード(ワイドゴールドカード)

ANAカード(ワイドゴールドカード)はTポイントと統合されることでも話題のVポイントが貯まり、お得な交換レートでANAマイルへ交換できます。搭乗ボーナスマイルは25%付与。年会費は1万5,400円かかります。国際ブランドはVisa、Mastercard、JCBから選ぶことができますが、それぞれ保険やポイント交換単位が少し異なります

(画像引用元:ANA公式サイト

国際ブランド Visa、Mastercard JCB
入会資格 満20歳以上で
本人に安定継続収入のある方
※ゴールドカード独自の審査基準により発行させていただきます。
満20歳以上で
本人に安定継続収入のある方
年会費(税込) 15,400円 15,400円
家族カード年会費(税込) 4,400円 / 枚 4,400円 / 枚
利用可能枠 50万~200万円
締め日/支払日 15日 / 翌月10日 15日/翌月10日
ANAマイル還元率 1.0%~2.0% 1.0~2.0%
海外旅行傷害保険 最高5,000万円 最高1億円
国内旅行傷害保険 最高5,000万円 最高5,000万円
ショッピング保険 年間300万円まで
※自己負担額 1事故につき3,000円
※購入日および購入日の翌日から200日間
<海外> 年間最高500万円
<国内> 年間最高500万円

楽天ANAマイレージクラブカード

楽天ANAマイレージクラブカードは初年度年会費無料、2年目以降も年1回利用すれば年会費が無料になる大きなメリットがあります。ANAカードの一般カードと比較しても「実質年会費無料で保有しやすい」のは非常に大きな利点です。家族カードも無料で発行・利用できます。

楽天ANAマイレージクラブカード

楽天ANAマイレージクラブカードは、200円=1ANAマイル貯まる「マイルコース」と、100円=1楽天ポイントが貯まる「楽天ポイントコース」からポイントプログラムを選ぶことができます

(画像引用元:楽天カード公式サイト

国際ブランド Visa、MastercardR、JCB
入会資格 18歳以上の方(高校生は除く)
年会費(税込) 550円
※初年度年会費無料
※2年目以降は年1回の利用で年会費無料
家族カード年会費(税込) 無料
※最大2枚まで発行可能
利用可能枠 最高100万円
締め日/支払日 月末 / 翌月27日
ANAマイル還元率 0.5%
海外旅行傷害保険 最高2,000万円
国内旅行傷害保険 なし
ショッピング保険 なし

陸マイラー向けのおすすめクレジットカード2選【JAL】

続いてJALマイルを貯めたい陸マイラーにおすすめのクレジットカード2選をご紹介します。

JALカード CLUB-Aゴールドカード

JALカードのCLUB-Aゴールドカードは、ショッピングでのマイル還元率が1.0%~2.0%と高還元率でマイルを貯めたい方へのカードです。

JALカード CLUB-Aゴールドカード

年会費は17,600円(税込)とゴールドカードの中ではリーズナブル。入会ボーナスとして5,000マイル、毎年初回搭乗で2,000マイルがもらえます。フライトボーナスマイルは25%付与。多くの提携ブランドが用意されており、選択の幅が広いのもメリット。カード自体のサービスに加え、ショッピングマイルプレミアムを活用したいにはおすすめです

(画像引用元:JAL公式サイト

国際ブランド VISA、Mastercard、JCB
入会資格 [JAL・Mastercard/JAL・Visaカード/JALカードTOKYU POINT ClubQ]20歳以上で、一定以上の勤続年数・営業歴と安定収入のある人(学生を除く)
[JAL・JCBカード/JALカード OPクレジット/JALカードSuica/JALアメリカン・エキスプレスR・カード]20歳以上で、本人に安定した継続収入のある人(学生を除く)
[JALダイナースカード]原則として27歳以上で、本人に安定した継続収入のある人(学生を除く)
年会費(税込) 17,600円
(JAL アメリカン・エキスプレスR・カード は本会員:20,900円)(JALダイナースカードは本会員:30,800円)
家族カード年会費(税込) 年会費:8800円
(JALダイナースカードは家族会員:9,900円)
利用可能枠 最高200万円
締め日/支払日 15日締め・翌月10日払い
JALマイル還元率 1.0%~2.0%
海外旅行保険 死亡・後遺障害 5,000万円(自動付帯)
国内旅行保険 死亡・後遺障害5,000万円(自動付帯)
ショッピング保険 海外/国内 500万円

 JALカード普通カード

JALカードの普通カードは、初めてJALカードを作る方におすすめのカードです。

JALカード普通カード

年会費は2,200円(税込)、入会後1年間は年会費無料とリーズナブルで、入会後・毎年初回搭乗で1,000マイルがもらえます。フライトボーナスマイルは10%付与。また、JAL航空券やツアー代金の支払でマイルが2倍になります。とりあえず「JALカードを持っておきたい」という方におすすめな便利なカードです

(画像引用元:JAL公式サイト

国際ブランド VISA、Mastercard、JCB、AMERICAN EXPRESS
入会資格 18歳以上(高校生を除く)
年会費(税込) 2,200円(初年度無料)
(JAL アメリカン・エキスプレスR・カードは本会員:6,600円)
家族カード(税込) 1,100円(初年度無料)
(JAL アメリカン・エキスプレスR・カードは家族会員:2,750円)
利用可能枠 最高100万円
締め日/支払日 15日締め・翌月10日払い
JALマイル還元率 0.50%~1.0%
海外旅行保険 死亡・後遺障害 1,000万円(自動付帯)
(JAL アメリカン・エキスプレスR・カード 最高3000万円/自動付帯1000万円)
国内旅行保険  死亡後遺障害 1,000万円(自動付帯:1,000万円)
(JAL アメリカン・エキスプレスR・カード 最高3000万円/自動付帯1000万円)
ショッピング保険 JAL・JCBカード、JALカード OPクレジットのみ:海外 100万円

まとめ

今回はマイルの基本的知識や貯め方、陸マイラー向けおすすめクレジットカードについて解説しました。そもそも「ANAとJAL、どちらのマイルを貯めた方がいいの?」と悩まれる方も多いと思いますが、両社とも区間基本マイレージは同一ですし、クレジットカードの還元マイルもほぼ同等です。よく利用する航空便が多い航空会社や、日常的に利用するお店でのポイントがANA・JALどちらのマイルに交換できるかなどを基本に選ぶことをおすすめします。

鶏冠井悠二/かいでFP事務所・ファイナンシャルプランナー
コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。
「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。
現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

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