株式会社マーケティングフルサポートは12月16日の「フリーランスの日」に先駆け、クラウドワークスに登録しているフリーランサー310人に「フリーランスの実態調査」を実施した。2023年10月に開始された「インボイス制度」は主にフリーランサーに影響があるといわれているが対応状況はどうなのか、また新たに成立された「フリーランス保護新法」について、どの程度理解しているのかを詳しく見ていく。
インボイス制度の対応をしていない人が7割超え!
調査は2023年11月22日から23日に実施。「インボイス制度の対応をしているか」という質問では、70.6%の人が「なにも対応していない」と回答した。ついで「今後、適格請求書発行事業者になる予定である」と回答した人が21.9%、「すでに適格請求書発行事業者になった」が6.8%という結果に。適格請求書とはいわゆるインボイスのことで、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるもの。
この適格請求書を発行しないと、取引先の課税事業者が仕入税額控除を行えないため、税負担が増えその結果、消費税分の値下げを要求される可能性が高くなる。これらの対策として、適格請求書発行事業者になることを選んだ人が一定数いる結果になったと考えられる。
また「インボイス制度導入後の困りごと」についての調査では「事務作業が増えた」と回答する人が多く、ほかにも「取引先が取引をしてくれなくなった、発注が減った」や「取引先から不利な条件での取引を求められたことがある」などの回答があった。少なからず、フリーランサーにとってマイナスなことが起きているといえるだろう。
フリーランス保護新法について理解している人は3.9%
「取引先とトラブルになったことがあるか」という質問では3割強の人が「ある」と回答した。その中でも「報酬未払い」や「報酬減額」「報酬支払い遅延」など報酬に関するトラブル、「契約内容の一方的な変更」や「一方的な契約解除」などの契約に関するトラブルは多い。
そのような問題に対してフリーランスの権利を見直し、不当な扱いを禁止する法律「フリーランス保護新法」2023年4月が成立。この新しい法律について知っている人がどのくらいいるか調査したところ「知らない、わからない」が51.0%、「知っているが詳しい内容はわからない」と回答した人が45.2%と、ほとんどの人がこの法律について理解していないことが判明した。
フリーランスは自由に仕事を選べる、出社しなくていいなどメリットは多くあるが、取引先からの不当な扱いや権利問題については大きなデメリットであった。そのためフリーランス保護新法について、フリーランスだけでなく発注事業者も十分に理解し、お互いが気持ちよく仕事ができるようになってほしいと思う。
出典元:【株式会社マーケティングフルサポート/@Press】
※サムネイル画像は(Image:「国税庁」公式サイトより引用)