「確定申告」失敗や間違え経験アリ約2割、注意すべきポイントは?【脱・税理士スガワラくん調べ】

毎年、新年を迎えると近づいてくる確定申告。2023年分の所得税の確定申告期間は2024年2月16日~3月15日までの約1カ月間となっていますが、今年がはじめての人や、毎年頭を抱えている人など、確定申告について不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

YouTubeチャンネル「脱・税理士スガワラくん」を運営する税理士の菅原由一氏は、全国の20歳以上70歳未満の働く男女2000人を対象に、「確定申告」についてアンケート調査を実施。確定申告の経験や失敗の有無などについて質問していたので、その結果を見ていきましょう。

確定申告の経験者は全体の約6割、そのうち今年もする人は4割を超える結果に

「確定申告の経験があり、今年もする」と回答したのは4割超の1295人でした(脱・税理士スガワラくん調べ)

まずは、「確定申告の経験はありますか?また、今年は確定申告をしますか?」と質問。すると、4割超となる42.9%の人が「確定申告の経験があり、今年もする」と回答していることがわかりました。ついで多かったのは「確定申告の経験はなく、今年もしない」の25.8%、以下、「確定申告の経験はあるが、今年はしない」の17.9%、「確定申告の経験はないが、今年はする」の4.1%と続きます。

会社に勤めていると年末調整をしてくれるため、確定申告をする人は少ないかと思いきや、4割以上の人が確定申告の経験があり、今年もするという結果でした。“今年はしないが経験がある”という人を合わせると、経験者の割合は60.8%で、6割を超えています。では、いったい何について申告しているのでしょうか。

確定申告をする内容で最も多かったのは「医療費控除」

「確定申告したこと・する予定がある内容」を質問すると、最も多かったのは「医療費控除」で36.6%でした(脱・税理士スガワラくん調べ)

「確定申告の経験がある」または「今年する」と回答した1295人に8項目を提示し、「これらの確定申告をしたこと、またはする予定はありますか?」と尋ねたところ、最も多かったのは36.6%で「医療費控除」でした。以下、「ふるさと納税」の31.7%、「個人事業」の23.5%、「還付申告」の22.7%、「住宅ローン控除」の16.9%、「副業関連」の10.2%、「50万円以上の一時所得」の9.0%と続き、「あてはまるものはない」という回答は16.4%という結果に。

控除や還付は申請しないと受け取れないため、とくに医療費が一定の金額を超えるという人は欠かさず申告していることでしょう。また、2008年にはじまった「ふるさと納税」も、テレビCMでの宣伝などによって、今では幅広く認知され、実際にやっている人も多くなった印象を受けます。一方で、副業ブームと言われながら、「副業関連」の確定申告は意外と少ないように感じます。

40.3%の人が「2月29日までに確定申告を済ませる予定」と回答

2023年の確定申告をする人の中で最も多かったのは「2024年2月29日まで」の40.3%でした(脱・税理士スガワラくん調べ)

確定申告には申告期間が設けられていますが、「今年確定申告をする」と回答した938人に「2023年分の確定申告はいつする予定ですか?」と尋ねています。それによると、最も多かった回答は「2024年2月29日まで」の40.3%で、ついで「2024年3月15日まで」の30.4%でした。調査日である2024年1月11日現在、「すでに申告済み」と回答した人も14.5%おり、申告期間を過ぎた「2024年3月16日以降」という回答も、2.5%と少数ながらいることがわかりました。

「2024年2月29日まで」と「2024年3月15日まで」を合わせた70.7%の人が確定申告期間中に申告を行う予定で、多くの人が所定の期間に合わせて申告の準備をしていることがわかります。

確定申告の際、経験者の約2割が“失敗や間違えの経験アリ”

「いままでに確定申告で失敗した・間違えたことがある」と回答した人は確定申告経験者1214人の中で22.2%でした(脱・税理士スガワラくん調べ)

「確定申告の経験がある」と回答した1214人を対象に、「いままでに確定申告で失敗した・間違えたことはありますか?」と尋ねると、22.2%が「ある」、77.8%が「ない」と回答しています。では「間違えた」と回答した人は、どのような内容だったのでしょうか。

確定申告での失敗や間違えで最も多かったのは、「確定申告の漏れ」の38.3%、続く2位と3位が「ふるさと納税」関係となっています(脱・税理士スガワラくん調べ)

「確定申告で失敗した・間違えたことがある」と回答した269人に「どのような失敗や間違えをしましたか?」と尋ねると、最も多かった回答は「確定申告漏れ」の38.3%でした。ついで2位が「ふるさと納税の『ワンストップ特例』無効」の25.3%、3位が「ふるさと納税の限度額超え」の24.2%、4位が「医療費控除の申告金額の間違え」の20.8%、5位が「延滞税や追徴課税の発生」の20.4%などとなっています。

数字に強く、お金の計算が得意な人ばかりではないため、個人で確定申告を行うと間違いは起きやすいものなのかもしれません。ここにあげられた項目は、その中でもとくに間違えやすい項目のようです。個人で申告を行うという人は、この結果を参考に再度申告内容を確認してみてはいかがでしょうか。

確定申告の際に間違えやすいポイントを解説

医療費よりも保険金額が多かった場合、かかった医療費分だけ差し引けばよいそうです(脱・税理士スガワラくん調べ)

プレスリリース内で菅原氏は、確定申告の際に注意すべきポイントについても解説しています。一部抜粋すると、まずは、ふるさと納税で「ワンストップ特例」を使った人も、医療費控除など別で確定申告をする場合にはあらためて、ふるさと納税の申告もしておかないと「ワンストップ特例」の適用が無効になるそうなので注意が必要だそうです。

また、4人家族それぞれに5万円の医療費がかかり、全員分の医療費控除を受ける際、父親5万円の医療費に対して保険会社から7万円の保険金が入った場合、「医療費の総額20万円-保険金7万円=13万円」と計算するのは間違いだそう。医療費より保険金額が多かった場合は、本人がかかった医療費分だけ差し引けばよいため、「総額20万円-5万円=15万円」となり、受け取った保険金全額を差し引く必要はないそうです。

ほかにも、「還付申告」や「住宅ローン控除」、「保険金」、「副業に対する住民税や経費」などについても抑えておくべきポイントが説明されているので、不安な人はぜひ参考にしてみてください。

出典元:【株式会社スガワラくん/PR TIMES

※サムネイル画像(Image:Sayuri I / Shutterstock.com)

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

関連記事

TOPICS
マネー最新記事

RANKINGランキング

18:00更新