「新NISA」世帯年収が多いほど、認知率も利用率も高い傾向【楽天インサント調べ】

国際情勢の悪化や度重なる天災など、何が起こるかわからない先行きの不透明感に、将来への不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。“備えあれば憂いなし”とは言うものの、一体どのようにして備えておくべきなのか…。そういった悩みに、資産の面からアプローチした調査結果が2月13日に発表されました。楽天グループである楽天インサイト株式会社は、同社に登録しているモニター(約220万人)の中から、全国の20~69歳の男女1000人を対象に、2「資産運用に関する調査」を実施。資産運用の開始時期や開始理由などについて質問していたので、その詳細を見ていきましょう。

資産運用の実施方法で、最も多かった回答は「NISA」の31.6%

「資産運用の実施方法」の項目では、「資産運用には取り組んでいない」人を除き、20代~40代で「NISA」という回答がトップとなっています(画像は「楽天グループ株式会社」プレスリリースより引用)

まずは、「資産運用の実施状況」について質問しています。それによると、「資産運用には取り組んでいない」と回答した41.2%を除くと、資産運用の実施方法で最も多かった回答は「NISA」の31.6%でした。

年代別に見たNISAの利用割合において、20~40代の各年代はそれぞれ利用率3割を超える結果に(楽天インサイト調べ)

これを男女別に見てみると、男性が63.7%、女性が53.8%と、男性の方が10ポイント高い結果に。また年代別で見てみると、20代が39.5%、30代が36.9%、40代が32.8%で、それぞれの年代のトップとなっています。なお、50代と60代の1位は「預貯金」でした。

さらに、世帯年収別で見てみると、資産運用を実施している割合は「800万円以上」が75.7%、「400万円~800万円未満」が68.6%、「400万円未満」が49.7%で、年収が多い世帯ほど資産運用を実施する割合も高くなる傾向があることがわかりました。

また、実際に資産運用を実施している人に開始時期を尋ねたところ、「直近1年以内に開始した」という回答は24.1%でした(※直近1カ月以内~直近1年以内までを合わせた回答)。そのきっかけについて尋ねると、全体では「老後や将来の生活資金に不安を持った」が44.4%でトップに。そして、「値上げや物価高で資産形成の必要を感じた」の19.6%、「資産に余裕ができた」の16.7%と続きます。

とくに“直近1年以内に始めた”という人の中では、「値上げや物価高で資産形成の必要を感じた」と回答した人が28.2%となっており、全体の19.6%を10ポイント近く上回る結果となりました。近年続いている物価の高騰や先行きの見えない世界情勢の中で、少しでも将来のために資産を残しておきたいと考える人が増えているのかもしれません。

「新NISA」の認知率は8割以上、利用率は2割

「新NISA」の認知・利用状況について調査したところ、「知らない」と回答した17.6%を除く認知率の合計は、全体で82.4%でした(楽天インサイト調べ)

続いて「新NISA制度」について、どの程度の人が認知しているかを調査しています。それによると、「内容はよく知らないが、聞いたことがある」という回答が37.6%で最も多く、「内容も含めて知っており、すでに利用している」が24.2%、「内容も含めて知っているが、利用はしていない」が20.6%、「知らない」が17.6%で、「知らない」を除く認知率は82.4%という結果でした。

これを男女別に見てみると、認知率の合計は男性が83.9%、女性が80.8%と大差ないものの、「内容も含めて知っており、すでに利用している」という、より具体的な内容になると、男性が31.0%、女性が17.3%と、男性の方が約14ポイントも高いことがわかりました。年代別では、「内容も含めて知っており、すでに利用している」という回答の割合が最も高かったのは、20代の32.9%、ついで、30代の29.1%、40代の24.9%という結果になっています。

世帯年収別に見てみると、認知率の合計は「400万円未満」で76.1%、「400万円~800万円未満」で87.8%、「800万円以上」で91.2%、さらに「内容も含めて知っており、すでに利用している」という人は「400万円未満」で18.3%、「400万円~800万円未満」で30.4%、「800万円以上」で33.7%という結果となり、年収が多いほど「新NISA制度」の認知率と利用率が高くなる傾向があることがわかりました。

生活にゆとりがなければ難しい資産運用ですが、「新NISA制度」については“若い世代からの関心が最も高い”という結果も出ており、今後、利用者も増えていく可能性が考えられます。しっかりと備えをして、安心できる状態で老後を迎えたいものですね。

出典元:【楽天インサイト

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

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