株式会社メルペイが発行するクレジットカード「メルカード」。年会費無料かつメルカリでの買い物がお得になるなど、メルカリ利用者にとっては魅力的なカードです。
しかし「付帯保険がない」「Apple PayやGoogle Payに非対応」など一般的なクレジットカードと比較すると利便性に難がある部分もあり、一部ネット上では「発行メリットがない」「やばい」と言った声も。
そこでこの記事では、メルカードのメリットとデメリットや、メルカードは「やばい」「作らない方が良いのか」を解説します。
【目次】
1.メルカードの基本情報
2.メルカードが「やばい」と言われている理由(デメリット)7選
3.メルカードは「作らない方がいい」?メリット4選
4.メルカードの申し込み、作り方の流れ
5.メルカードは結局作るべき?作らない方が良い?おすすめの人・そうでない人
6.まとめ
メルカードの基本情報
メルカードは2022年11月から提供が開始されたクレジットカードです。サービス開始時には、限度額やポイント還元率がメルカリの利用実績で決まるといった点が大きな話題になりました。
(画像はメルカリ公式サイトより)
年会費やポイント還元率などの概要は以下の通りです。
ETCカードや家族カードは使えず、付帯保険もありません。そもそもメルカリでの利用が想定されているため、ほかでの利用のメリットが少ないというのは特徴的な点です。
メルカードが「やばい」と言われている理由(デメリット)7選
メルカードが「やばい」と言われがちなデメリットは、大きく分けて以下の7つです。
これらの内容を短くまとめると「メルカリ以外での利用メリットが薄く、スマホ決済でも利用しにくいため、発行メリットがあまりないという見方ができる」と言えるでしょう。1つ1つ見ていきましょう。
【1】メルカリのサービス以外に利用するメリットがない
メルカードは「メルカリ」での利用が想定されているため、逆に言えばメルカリのサービス以外での利用メリットが小さいです。
ちなみにメルカリの利用ではポイント還元率最大4%ですが、メルカリ以外のポイント還元率は1%です。
1%のポイント還元率は著しく低い水準ではないものの、後述するようにポイント有効期限が短く、付帯保険がなく、国際ブランドも選べないといった点を踏まえると「他のクレジットカードの方が良いのでは」という考え方はできるでしょう。
【2】Apple Pay、Google Payに非対応のためスマホ決済で利用しにくい
メルカードはApple Pay、Google Payなどの紐づけに対応していません。つまりApple PayやGoogle Payを日常的に利用している方が、メルカードを実店舗で使う場合はカードの提示が必要となるでしょう。
【3】付帯保険がない
多くのクレジットカードには、旅行傷害保険やショッピング保険などの付帯保険がありますが、メルカードにはありません。ちなみにキャッシング機能やETCカード、家族カードもないため「シンプルなクレジットカード」と言えるでしょう。
たとえば、メルカードと同じく年会費無料のクレジットカードである「楽天カード」には付帯保険やETCポイントも付きます。付帯保険を重視するならば、メルカードを選ぶ理由はあまりないとは言えるでしょう。
【4】ポイント有効期限が短い:ポイントが付与されない場合も
メルカードのポイント有効期限は、ポイント付与日含めて60日間です。たとえば楽天ポイントの有効期限は1年、dポイントは48カ月後です。
つまりポイント有効期限が「2カ月弱」というのは非常に短く、得たポイントはすぐにメルカリで使用しないと貯めた意味が無くなってしまうでしょう。
楽天ポイントやdポイントのようにじっくり長期間貯めて、年に一度、大きな買い物をポイントで行うといった使い方はできないと言っても過言ではありません。
【5】定額払いで手数料が高くなる場合がある
メルカードは、支払方法を定額払いにすることが可能です。定額払いは月々1,000円~。買い物後でも定額払いに変更できますが、手数料は実質年率15.0%と高額。支払いが遅れた場合は、14.6%/年の遅延損害金も発生します。
さらに定額払いの途中解約はできないので注意が必要です。
参考元:メルカリ公式コラム
【6】不正利用発覚時の電話窓口がない
メルカードには、紛失・盗難用の電話窓口はありますが、不正利用発覚時の専用電話窓口はありません。不正利用が疑われる場合、まず自分でアプリ上から利用の停止手続きを行い、事務局に問い合わせする必要があります。
不正利用が発覚した場合、電話で窓口と即座に善後策を相談したい方も多いでしょう。そうした方にとってはまず事務局に一報してから返信を待たなくてはいけないのは相当もどかしいでしょう。
なお不正利用の事実が確認できた場合は、不正利用の金額分の補償は行われます。
参考元:メルカード公式サイト
【7】ブランドが選べない
メルカードで発行時に選べる国際ブランドはJCBのみです。VISAやMastercard、アメリカン・エキスプレスなどは選べません。
たとえばJCBをVISAと比較した場合、国内での使い勝手にはあまり大きな違いはありませんが、海外での対応店の数には差があります。つまりメルカードの発行目的が「メルカリを使いたい」だけなく「海外での買い物も楽しみたい」という場合、後者向けには別のカードを発行した方がいいかもしれません。以下の記事で詳しく解説しています。
メルカードは「作らない方がいい」?メリット4選
デメリットをご紹介しましたが、メルカードのメリットももちろん存在します。
【1】メルカリでの還元率は最大4.0%
メルカードは、メルカリでの利用でポイント還元率が最大4%になります。ポイント還元率はメルカリの利用実績で決まります。メルカリでの購入はもちろん、出品やメルペイでの買い物などで還元率がアップする仕組みです。
最大の4%の還元率を達成できなくとも、2.5%~3%の水準の還元でもメルカリのヘビーユーザーの方にとっては十分にお得と言えるでしょう。ポイント有効期限が短いため、メルカリポイントだけで大きな買い物をすることは難しいかもしれませんが、メルカリで日常的な買い物に十分に役立つでしょう。
【2】年会費無料
メルカードは年会費が無料です。つまりメルカリユーザー以外がメルカードを作るメリット自体は少ないものの、作ることで損をするわけではありません。
【3】毎月8のつく日に還元率がアップ
メルカリでは毎月8のつく日に販売手数料が50%還元されるキャンペーンを行っています。
つまりメルカリで「買い物をする」だけでなく「よく出品している」という方は、メルカードを持っているだけで販売手数料が半額になるチャンスが毎月やってきます。
【4】メルカリアカウントで審査が簡単
メルカードは以下の条件を満たしていれば、誰でも申し込みが可能です。
・20歳以上の方であること(高校生を除く一部の18,19歳は申し込み可能な場合もある)
・「アプリでかんたん本人確認」が完了していること
・すでにメルカードを契約中でないこと(複数枚の所持は不可)
そして審査は、メルカリの利用実績に基づいて行われます。つまりメルカードの審査は「独自基準」です。審査の申し込みが簡単なことに加え、他のクレジットカードの審査に落ちた方でも発行できる可能性があるかもしれません。
メルカードの申し込み、作り方の流れ
メルカードの申し込みから作り方の流れをご紹介します。
「メルカード」の申し込み条件
メルカードの申し込み条件は以下の通りです。
・20歳以上の方であること(高校生を除く一部の18,19歳は申し込み可能な場合もある)
・「アプリでかんたん本人確認」が完了していること
・すでにメルカードを契約中でないこと(複数枚の所持は不可)
メルカードの申し込み時に必要な書類
メルカードの申し込みの際には、本人確認可能な書類が必要になります。具体的には「運転免許証」 「運転経歴証明書」「在留カード」 「マイナンバーカード」「パスポート」のいずれかを本人確認書類として利用することが可能です。
申し込みから発行までの流れ
メルカリアプリからメルカードを申し込む手順は以下の通り。
メルカリアプリで本人確認を行う方法
以上で本人確認とメルカードへの申し込みは完了です。申し込み後の審査に1~2日かかり、4~7日ほどでカードが届きます。
メルカードは結局作るべき?作らない方が良い?おすすめの人・そうでない人
メルカードは、メルカリのヘビーユーザーであれば作っておくべきクレジットカードです。ポイント還元率が最大で4%になるため、メルカリポイントを貯めやすいです。
年会費が無料で、審査もメルカリの利用実績に基づいた独自基準で行われるため「簡単」です。一枚は持っておいて損はないでしょう。
ただし「付帯保険がない」など一般的なクレジットカードと比べ、デメリットも複数あることは間違いありません。あくまでメインカードというよりは「メルカリでの利用に特化した2枚目以降のカード」に向いています。
一方、メルカリをそこまで使っていない人にとっては「年会費が無料で還元率が高いクレジットカード」はほかにもあるため、別のカードを検討した方がいいかもしれません。
なお、ポイント還元率が高いクレジットカードについては以下の記事で解説しているので参考にしてください。
まとめ
メルカードは、メルカリ以外のサービスで利用するメリットが小さく、また付帯サービスも特にないため、メインカードとして利用するには他社のクレジットカードの方が優位性があると言えるでしょう。
しかし、年会費は無料で、メルカリ利用時にポイントが貯まるだけでなく、販売手数料が半額になるキャンペーンも実施されるため、持っていても損することはありません。メルカリヘビーユーザーの方にとっては、持っておきたいカードのひとつでしょう。
※サムネイル画像(Image:oatawa / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています