端末に表示したQRコードを読み込ませるだけで、簡単に決済が完了する“QRコード決済”。鉄道事業者8社も磁気乗車券をQRコード乗車券に置き換える計画を発表するなど、利用シーンも拡大する一方ですが、シニア層にはどのくらい浸透しているのでしょうか。モバイル社会研究所では、全国の60歳~84歳の男女1130名を対象に、「シニアのQRコード決済に関する訪問留置調査」を実施。QRコード決済の利用経験や利用意向などについて質問していたので、結果を見ていきましょう。
60代のQRコード決済利用率は半数超え
まずは、「QRコード決済コード決済の利用率」について、2023年と2024年の調査結果を比較しています。それによると、2023年に調査を実施していない80代を除いて、60代~70代の全てにおいてQRコードの利用率が上昇していることがわかります。特に、60代前半は8ポイント、60代後半は7ポイントと、60代が高い伸び率を示していました。
しかし、利用率が半数を超えているのは60代のみで、まだまだ定着したとは言えない状況のようです。
80代は今後の利用意向も3割以下と低め
続いて、今後の利用意向についての調査結果を見ていきましょう。全体では、「より利用したい」「現状維持(利用中)」「今後使いたい」を合わせた、「今後(も)利用する意向がある」という主旨の回答がちょうど50%でした。
性年代別に見ていくと、「今後(も)利用する意向がある」という主旨の回答が最も多かったのは60代で、男性は60%超、女性は70%超となりました。一方、最も利用意向が低かったのは80代で、男女ともに30%に届かないという結果に。70代も半数を下回っており、どうやら60代との間に1つの壁があるように感じられます。
人口の多い都市ほどQRコード決済の利用率が高い
続いて、QRコード決済の地域別の利用率を見ていくと、45%の「近畿」が最も高く、2位が43%の「関東」、3位は「北陸・甲信越」と「九州・沖縄」が39%で並ぶ結果となりました。
さらに、都市規模別に見ていくと、最も割合が高かったのは「政令市及び特別区」の44.0%、2位が「20万人以上の市」で41.3%、3位が「10万人以上の市」で41.0%、4位が「10万人未満の市町村」で37.0%という結果でした。これにより、人口が多い都市ほどQRコード決済の利用率が高いことが判明しています。
大きな都市では店舗や交通機関などの決済方法としてQRコード決済の導入率が高いというのも理由の1つとしてあげられるのではないでしょうか。今後、利用できるシーンがより広がることで、シニア層の利用率もあがっていくかもしれませんね。
出典元:【モバイル社会研究所】
参考元:鉄道道事業者8社のQR乗車券への置換え