意外と知られていない、Suicaにチャージした残高があるのに利用できない理由と解決策

JR東日本の交通系ICカード「Suica」は、事前に残高をチャージすることで支払いができるプリペイド式です。しかし、たまにSuicaの残高があるにもかからず使えないこともあるようです。そこで今回は、Suicaに残高があるのに使えない原因と解決策について解説しましょう。

【1】財布やパスケースによる接触不良

カード式Suicaは、財布やパスケースに入れて使用している人が多いと思いますが、それが原因で認識不良を起こしている場合があります。

単純に財布やパスケースの素材が分厚かったり、ほかのクレカなどが重なっている、あるいはカギなどの金属類がついていると、エラーで読み込めないことがあります。また、財布やパスケースにSuica以外の交通系ICカードが一緒に入っているときもエラーとなります。

この場合は、財布やパスケースからSuicaを出し、直接自動改札でタッチしてみましょう。

カギが付けられるパスケースは、カギにICタグが搭載されていることがあり、読み込みエラーとなることもあります(画像はPhotoACより)

【2】前回のSuica利用時に問題があり窓口での手続きが必要な状態になっている

自動改札にタッチして通過したSuicaには、改札記録が残されています。そのため、前回の利用時に正常に改札記録が処理されていないと、自動改札を出るときにエラーとなる場合があります。

たとえば、Suicaエリア外の改札記録が未処理状態だったり、入場時の記録が正確に処理されていなかった。あるいは、前回の利用から長期間経過しているといった理由が考えられます。

この場合は、面倒でもJR東日本の駅窓口へSuicaを持っていって、Suicaの処理をしてもらいましょう。

自動改札入場時のタッチが失敗していたり、きっぷで入場したのにSuicaで出てしまったりすると、自動改札を出るときにエラーとなります

【3】Suica本体(ICチップ)に何らかの不具合がある

長い間Suicaを使っていると、SuicaのICチップに不具合が出ることがあります。ICチップに不具合があると、何度タッチしてもエラーになったり、反応がないといった現象が見られます。この場合は、Suicaを再発行することになるので、JR東日本の窓口へ持っていきましょう。

また、Suica機能があるビューカードの場合は、クレカ機能が利用できてもSuicaの読み取りができないこともあります。この場合は、ビューカードセンターに問い合わせて再発行を依頼しましょう。

ちなみに、ビューカードに付帯しているSuica機能の有効期限は、カードの有効期限と同じですので、ビューカードの有効期限切れで使えないこともあります。

古いタイプのSuicaは、経年劣化でICチップに不具合が出る場合もあります。とくにSuicaのペンギンがいなかったり、顔が横を向いているSuicaは古いタイプなので注意しましょう(筆者撮影)

【4】モバイルSuicaが使えない場合はメインカードの変更をチェック!

もし、AndroidスマホでモバイルSuicaが使えない場合は、「おサイフケータイアプリ」でSuicaをメインカードにしていない可能性があります。

AndroidスマホにはモバイルSuicaとモバイルPASMOの両方を登録できるため、あらかじめ優先的に使うアプリを設定する必要があるんですね。

まずは、おサイフケータイアプリを開いて、モバイルSuicaがメインカードになっているか確認しましょう。

メインカードを切り替えるには、おサイフケータイを起動し、「メインカードの確認・切替」をタップ。そして、Suicaを「メインカードにする」にしておけばOKです。

おサイフケータイでメインカードをモバイルSuicaに指定する手順

おサイフケータイを起動し、「メインカードの確認・切替」をタップ(左写真)。次に、Suicaを選択して「メインカードにする」を選択すれば、切り替えは完了です(右写真)

【5】モバイルSuicaで「定期券有効期間外のSF利用」設定がオフの場合も!

モバイルSuicaが使えない原因としては、「定期券有効期間外のSF利用」設定がオフになっている可能性が考えられます。

この設定がオフの場合、定期券の有効期間が切れるとモバイルSuicaが使えなくなりますので、オンにしましょう。

まず、モバイルSuicaで「会員メニュー」を開いたら、使っているモバイルSuicaをタップ。次に「その他の設定」を選択して「定期券有効期間外のSF利用」をオンにすれば完了です。

モバイルSuicaの「定期券有効期間外のSF利用」設定をオンにする手順

まず、モバイルSuicaを開き「会員メニュー」でモバイルSuicaを選択します(左写真)。次に「その他の設定」をタップしましょう(右写真)

ここで「定期券有効期間外のSF利用」のスイッチをオンにすればOKです

【番外編】そもそもSuicaが使えない状態になっている

Suicaの残高を払い戻しすると、Suica機能は使えなくなります。当然、チャージもできないので、払い戻しを行ったSuicaはタッチしても使えません。

Suicaの払い戻しを駅窓口で行った場合、Suicaは回収されるので、通常は払い戻し済みのSuicaが手元に残ることはありません。

しかし、カード型SuicaをiPhoneに移行した場合、デポジットの500円もApple ウォレットのSuicaに追加されてしまうため、払い戻し済みの使えないSuicaが手元に残ってしまうんですね。

もし、このようなSuicaが手元に残っている場合は、JR東日本の窓口へ返却するといいでしょう。

iPhoneにカード型Suicaを移行すると、デポジットまでApple ウォレットに追加されるため、手元に使えないSuicaが残ってしまうことがあります(筆者撮影)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はSuicaが使えない原因と対処方法について解説しました。とくに、SuicaのICチップの不具合は見た目で判別できません。実際に筆者も古いSuicaのICチップが壊れていたことがありますが、駅の窓口で確認してもらうのが確実ですよ。

※サムネイル画像(Image:Wongsakorn Napaeng / Shutterstock.com

西澤浩一
アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。趣味は乗り鉄であり、休日はフリーきっぷ片手に日本全国を徘徊中。お気に入りは青春18きっぷで乗れるリゾートしらかみ。他にもゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も趣味のひとつ。

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