新NISA(少額投資非課税制度)が2024年1月から始まってもうすぐ1年が経とうとしているが、日本の投資家の間で高い満足度を得ているようだ。ファイナンスラボが実施した調査によると、新NISA利用者の満足度は驚異の96%に達しており、多くの投資家がこの新制度を高く評価している。どんな点を評価しているのだろうか。
新NISAは6割以上が旧NISAからの移行、新規投資家は約3割
新NISAは、旧NISAの改良版として導入された制度だ。主な特徴として、非課税枠の拡大や非課税期間の無期限化などがある。これらの変化は、投資家にどのような変化をもたらしたのだろうか。
2024年11月1日~11月10日に、10代~60代以上のFX取引経験者500人を対象に行われた調査の結果によると、新NISA利用者の65.8%が旧NISAからの移行組であることがわかった。一方で、34.2%の利用者が新NISAから投資を始めた新規層であり、この制度が新たな投資家を呼び込むことに成功していると言えるだろう。
新NISAを始めたきっかけについて、最も多かった回答は「テレビやインターネットニュース」「YouTubeやSNS」などのデジタルメディアだった。確かに新NISA開始の前後では、さまざまなデジタルメディアで新NISA制度の解説などを多く見かけた。全体の56%がこれらのメディアをきっかけに新NISAを始めたと回答している。
投資歴が長くなると、税制優遇にメリットを実感
興味深いのは、投資歴によって新NISAを始めた理由に違いが見られたこと。投資歴1年未満の人では、「投資を通じて資産形成をしたい」という理由が最も多く、約31%を占めているが、一方で「税制優遇措置を活用したい」という理由は4.7%にとどまっている。
これに対し、投資歴4年以上の人では、「投資を通じて資産形成をしたい」という理由が約32%で最多ではあるものの、「税制優遇措置を活用したい」という理由も26.6%と高い傾向に。投資経験を積むにつれて税制面でのメリットを重視するようになるようだ。
新NISAの満足度が96%という高水準に達した背景には、非課税枠の拡大や年間の投資可能上限枠の増加、非課税期間の無期限化など、税に関する変更点を魅力に感じていることが見てとれる。特に投資経験の長い人にとっては、キャピタルゲインやインカムゲインに対する課税を避けられることが大きなメリットになっており、今後も新NISAは、多くの人が資産形成を進めるための重要な制度として利用され続けるだろう。新NISAを検討している人は、自身の投資目的や経済状況に合わせて検討してみるのも良いかもしれない。
出典元:【株式会社ファイナンスラボ】
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より引用)