コロナ禍によって失業したり収入が激減した人にとって、電気・ガス・水道・携帯電話・税金・年金・住宅ローン・NHK料金などの支払いは困難だろう。そんなときは無理せずに、支払いを猶予してもらったり免除してもらえる制度をフルに活用しよう!
電気・ガスの料金は1カ月支払い猶予してもらえる
今回のコロナ禍はリーマンショック以上の不況になるのではないかと言われているが、すでに失業したり収入が激減した人にとって、電気・ガス・水道・携帯電話・税金・年金・住宅ローン・NHK料金などの負担は相当重いはずだ。そこで今回は、コロナ禍対策で支払い猶予や免除される料金について解説しよう。
まず、経済産業省は2020年3月に電力会社やガス会社などに支払い猶予の要請を行っている。たとえば、東京電力エナジーパートナーの場合、「各都道府県社会福祉協議会から緊急小口資金・総合支援資金の貸付を受けている客」の申し出に応じて特別措置を適用する。その内容は「2020年3~5月分の電気・ガス料金について、支払期日(支払い義務発生日の翌日から30日目)を原則として1カ月間延長する」というものだ。
また、東京ガス(PDF)は「新型コロナウイルス感染拡大の影響により緊急小口資金・総合支援資金の貸付がされている客、および休業・失業等により一時的にガスまたは電気料金の支払いが困難である客」が対象で、お客様センターに申し出て承認されれば、「ガス料金および電気料金の2020年2~4月検針分の支払期限を1カ月間延長できる」としている。
携帯電話・ネット・NHK・住宅ローンも支払い猶予に!
電気・ガスに比べ、命に直結する水道はかなり条件が緩い。たとえば東京都水道局では、支払い猶予の対象を「新型コロナウイルスの影響により収入が減少している場合など、一時的に水道料金・下水道料金の支払いが困難になった方(個人、法人のすべての客が対象)」としており、2020年3月24日から、お客さまセンターに電話で申し出ることで、最長4カ月間は支払いを猶予できるのだ。
また、携帯電話料金やインターネット料金も各企業ごとで対応は異なるが、新型コロナウイルスの影響で料金の支払いが困難な場合は、支払いが猶予される措置を取っている。たとえば、NTTドコモは2020年2月末日以降の料金について、支払い猶予の申し出があった場合は、2020年6月末日まで支払い期限を延長する。
ほかにも、NHKは受信料の免除や支払い猶予などの相談窓口を開設している。支払いが困難な人はNHKの営業センターに電話して相談してみよう。
さらに、住宅ローンに関しても離職や病気などで返済が困難な人を対象に、住宅金融支援機構(フラット35)が返済方法の延期などの「返済特例」を実施している。条件はかなり厳しいが当てはまる人は助かるだろう。
税金も、条件を満たせば納税猶予や分割納付が可能になっている。所得税については「納税により生活の維持が困難になるおそれがある場合」などを条件に税務署に申請すると、1年の納税猶予や分割納付の措置が受けられる。住民税や自動車税は市区町村によって対応が異なるが、役場や税事務所などで申請すれば、支払い猶予や分割納付が認められる場合がある。
国民年金については、2020年5月1日から「新型コロナウイルスの感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の臨時による特例免除申請」の受付が始まっている。条件は「令和2年2月以降に、新型コロナウイルスで収入が減少」に加え「所得の見込みが現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になる」という2つを満たした場合で、市区町村役場か年金事務所に申請すれば、全額・3/4・1/2・1/4の免除や支払い猶予措置を受けられる。
国民健康保険についても、市区町村役場の国民健康保険担当部署で申請できる。「事業収入などが前年の3/10以下」「2019年の合計所得が1,000万円以下」「減少見込みの事業収入を除いた2019年の所得合計が400万円以下」の3条件を満たせば、納税猶予や減免措置が受けられるのだ。
●参照元:所得税、保険料、電気代…「支払い猶予・免除になるお金」11の手続き【マネーポストWEB】