2019年から2020年にかけて行われた「キャッシュレス・消費者還元事業」の恩恵もあって、消費者の間で急速に普及したキャッシュレス決済。その動きに合わせて民間企業では、商店街の個人商店など小さなお店でもキャッシュレス決済を取り扱う店舗が増加している。しかしその一方で、役所をはじめ公共機関では遅々として導入が進んでいない部分も多い。
今回は、とくにキャッシュレスの波に乗り遅れている場所を3つご紹介したい。
お役所は旧態依然の様子
キャッシュレス決済といえば、「2025年までに決済比率を40%まで引き上げる」という目標を掲げ、現在国をあげて改革に取り組んでいる案件だ。にも関わらず地方の公共機関などでは未対応の場所も多く、まさに“灯台下暗し”といった状態に陥っている。
【現金払いせざるを得ない場所3選】
1.行政機関
市役所や町役場など地域の行政機関で行政サービスを受ける際に支払う事務手数料等は、いまだに現金決済しか対応していないことが多い。中にはキャッシュレス決済に対応している役所・役場もあるのだが、その導入は地方ごとの温度差が大きいのが現状だ。
国が旗を振って一丸となって普及を目指そうとしてはいるものの、その足元ですら動きがバラバラなのでは、全国へのキャッシュレス決済浸透はまだ先になりそうだ。
2.医療機関
日常生活において最も身近な“キャッシュレス不毛地帯”といえば、病院などの医療機関だろう。突発的に病院に行くことになって治療を受けたものの、支払いの段階になってクレジットカードが使えず慌てた経験がある人もいるかもしれない。
キャッシュレス推進協議会の調査によると、その普及率はわずか6%とされている。多くの人が利用する公共施設であり、利便性からしても感染症予防の観点からしても、医療機関でのキャッシュレス決済のニーズは高いはずだ。そんな医療機関で普及したときこそ、キャッシュレス化の次なるステップに進んだ証になるかもしれない。
3.教育機関
小学校から大学まで、教育機関も現金決済の宝庫だ。あなたも子どもの頃、一度や二度は学校行事の写真の購入や何らかの集金で、保護者から渡されたお金入りの封筒を学校に持っていたことがあるだろう。しかしそれは20代・30代の昔話ではなく、現在の小・中学校でもその文化が根強く残っているのだという。
また大学でも、手続きや書類発行の申請などで現金を使う場面が多く、キャッシュレス化は程遠いというのが現状だ。
他にも、地方公共交通機関などでも交通系ICカードが使えない路線が存在していたりする。筆者の周りでも先日、電車を乗り継いで目的地に着いたところ、途中から交通系ICカード非対応区間に入っていて現金支払いを迫られたという経験をした知人がいた。そうした“悪意のない落とし穴”にはまってしまう人が一人でも減るように、全国でキャッシュレス決済の普及が進んでいってもらいたいと願う。
参照元:キャッシュレス派でも現金払いせざるを得ないシチュエーション【現金いらず.com】