2018年の10月以来、飛ぶ鳥を落とす勢いでシェアを拡大していくQRコード決済界の覇者「PayPay」。クレジットカード決済を導入していない小さな商店でも「PayPayだけは使える」という場所も少なくない。そんなPayPayが今度は、全国各地の自治体と次々と連携協定を結びだしている。
今回は、留まるところを知らないPayPayの快進撃ぶりをご紹介したい。
全国展開に進むPayPayのフットワークの軽さ
沖縄県沖縄市は10月15日、PayPayとのキャッシュレス化の推進に関する包括連携協定を締結した。新型コロナウイルス感染症の拡大防止もあり、市は事業者に対し接触の少ないQRコード決済の導入を促している最中だ。そのためにPayPayと協定を結び、市内1,600店舗以上の普及を目指すという。さらに11月からは、PayPayでの決済利用者に30%還元(上限3,000円)の電子クーポンを発行する事業も開始する。
実はPayPayは、沖縄市に限らず全国の自治体と共同で同様のキャンペーンを展開中だ。「あなたのまちを応援プロジェクト」と銘打ち、2020年7月から取り組んでいる。さらに単にキャッシュレス決済の普及が遅れている地方自治体だけでなく、東京都の板橋区・墨田区や大阪府大阪市など都会の自治体でも開催されているのだ。調べてみたら、あなたの自治体でもキャンペーンが行われているかもしれない。
PayPayは現在までに、29都道府県でキャンペーンを開催した、もしくは開催を予定している(2020年10月19日時点)。さらにキャンペーンページでは、開催したエリアが日本地図でわかるようになっており、全47都道府県でキャンペーンを行うことが最終目標なのは明白。たった3ヵ月で半数以上の都道府県にある自治体と協定を結んだとなれば、“全国制覇”も時間の問題と言えるだろう。
さらに自治体がパートナーとして認定し「行政がお墨付きを与えた」となれば、PayPayのサービスに対する信頼度も高まることも予想される。QRコード決済はまだ登場して日が浅く、世間からセキュリティの面で懐疑的に見られていることは否定できない。2019年にはサービス開始直後の「7pay」で大規模な不正利用が発覚し、即座にサービスを終了させたことも、QRコード決済への悪印象を加速させてしまった。
心理的な障壁を取り払うという意味でも、自治体との連携は他サービスに対する大きなアドバンテージになり得る。
既に一強状態のPayPayが、その地位をさらに盤石にして“敵無し”状態に入る日は、そう遠くないのかもしれない。
参照元:沖縄市とペイペイがキャッシュレス推進協定 県内初【琉球新報】
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