現在、群雄割拠の様相を呈してきているQRコード決済業界。絶対王者の「PayPay」は相変わらずの存在感を放っているが、そのPayPayに迫らんとする勢いを見せているのが「楽天ペイ」だ。
今回は、PayPay一強ムードに終止符を打つ、かもしれない楽天ペイの躍進にフィーチャーしていく。
様々なサービスと提携し勢力拡大を図るQRコード決済各社
キャッシュレス決済のひとつ・QRコード決済は、2018年頃からその存在が広く世に知られるようになりコンビニ各社など街中でも利用できる店舗が急拡大している。中でも「100億円あげちゃうキャンペーン」というインパクトの大きな還元キャンペーンで多くのユーザーを獲得したPayPayは、現在も業界断トツの利用可能店舗数を誇るなどその勢いは増すばかり。市場シェアの調査でも毎回圧倒的なトップを獲得している。
しかし他のQRコード決済サービスもただ手をこまねいているだけではない。PayPayを傘下に置くSoftBankのライバル企業でもあるドコモが扱う「d払い」は、メルペイとの連携を発表。「au PAY」もd払いからローソンとの蜜月関係を奪い取るなど、各社ともあの手この手でシェアの獲得・拡大を目指している。そんな中、楽天ペイは2020年の5月に同じキャッシュレス決済のひとつ・ICカード決済「Suica」と連携し、楽天ペイのアプリ内でSuicaへのチャージが可能に。加えて11月には、近日中に「楽天ポイントをSuicaのチャージに使えるようになる」と発表しさらなる注目を集めている。
楽天ポイントはご存知のように、楽天グループが提供する各種サービスで獲得できる共通ポイントだ。それが交通系ICカードの筆頭格であるSuicaで利用可能となったのは、実はかなり大きな出来事と言える。NECソリューションイノベータの調査によれば、交通系ICカードは東京圏でPayPayに次ぐ“スマホ決済サービス”という結果が出ている。関東で多くの人が利用しているサービスに流用できるとなれば、楽天ポイントの価値が高まることだろう。QRコード決済を複数併用していたものの、「Suicaに使えるならおトクだし、今後は楽天ペイをメインにして楽天ポイント貯めよう」と考える人々が現れることは間違いない。
既に各地の自治体などと提携を結ぶなど、全国展開を続けているPayPay。そんなPayPayからいくらか遅れはしたものの、楽天ペイも関東圏から反撃の狼煙をあげはじめた。面白くなってきた今後のQRコード決済業界のシェア争いから目が離せない。
参照元:楽天ポイント、Suicaチャージに近日対応【Impress Watch】