近年、「キャッシュレス決済」や「ふるさと納税」などによるポイント還元や節税の恩恵を受けることでデメリットが少なく支出を抑えたり、「投資」や「公営ギャンブル」といった収入自体を増やしてくれる、いわゆる“財テク”と呼ばれるサービスが注目を集めている。しかし、あなたの身近には「めんどくさい」、「よくわからない」、「あやしい」などと新たなサービスを頑なに使用しない層はいないだろうか。
今回はこれらのサービスの利用実績を調べて、その内訳を紐解いていくと驚くべき傾向が浮かび上がってきたのでお伝えしていきたい。
高所得者ほど“財テク”を駆使している
株式会社アスマークの行なった調査によると、「ふるさと納税」について61.2%の人が使用したことがないことが分かった。納付先を選択するだけで返礼品をもらうことができ、更には寄附金が税金から控除されるとあって、納付者であれば必ず使用したい制度であるにも関わらず、およそ半数の人が利用したことがないという意外な結果が浮かび上がった。このことから日本人の金策に対する保守的な姿勢がうかがえる。
しかし、この結果の内訳を見てみると意外な結果が浮かび上がった。なんと年収が高くなるにつれて利用者は増加傾向にあり、年収が1,000万円を超える人に関しては利用経験者が60.4%にもなっていることが判明。同調査では、キャッシュレス決済の利用率や公営ギャンブルへの参加経験などを同様に調査しているが、いずれも年収500万円以下の層に対して、それより高所得層の利用歴、参加歴の方が高い傾向にあることが分かった。
年収の高い人ほどこれらのサービスをうまく使いこなせているということは、逆に言えば、情報への感度を高く持ち、世の中の流れを敏感に感じ取れる人が、お金持ちになっているということになるのではないだろうか。近年なにかと話題になっている、「Go Toキャンペーン」や「ポイント還元」、「格安スマホ」なども、サービスの波に早く乗れた人の方が、恩恵を受ける機会が自ずと長くなっている。少しの手間を惜しまず“お得”に対してのアンテナを張り続けている人が結果として支出を減らし、収入を増やすというサイクルが生まれているのだろう。お金持ちは、目先の小金を気にしないという考えはもう古いかもしれない
「こんなにお得なら、もっと早くやっておけば…」、「知らないうちにサービスが終了していた」、なんて後悔を思い当たるならば一度考え方を変えてみよう。まずは「めんどくさい」や「よくわからない」を禁句にして、新しい情報を得ることに手間を惜しまないことが、お金持ちへの第一歩になるかもしれない。
参照元:お金の収支サービスに関する利用実態調査 東西比較【ASMARQ】