ここ数年で、日本でも爆発的に定着を見せた「キャッシュレス決済」。その代名詞と言えるのが「PayPay」ではないだろうか。多くの還元キャンペーンやクレジット以外での利用法の確立、ユーザー間の送金の手軽さといった利便性で多くのユーザーから支持を集めている。しかし、一方でその利便性を過信しすぎてしまったがために、思わぬ支払いトラブルに巻き込まれたなんて声も。
今回は、そんな“利便性では現金に勝る”ともいわれるPayPayに潜む思わぬ罠に迫っていく。
2019年度最もダウンロードされたアプリは「PayPay」
大規模な還元キャンペーンによる広告戦略と共に、キャッシュレス決済事業に参入したPayPay。2019年には、App Storeにおいて最もダウンロードされたアプリとして「トップ無料Appランキング1位」を受賞。2020年度著しくシェアを拡げ、いまや日本のQRコード決済の中で1番の知名度を誇っているのではないだろうか。
日経クロストレンドの行なった調査によると、キャッスレス決済利用率、登録率ともにTOP3に名を連ねるなど、1位であるクレジットカードは別格としても、クレカ以外で今日本で最もユーザーの多いキャッシュレス決済だと言っても過言ではないだろう。
では、PayPayの何がここまで多くのユーザーを引き付けているのだろうか。還元率の高さによる「お得さ」、コンビニからの入金システムやユーザー間での送金の手軽さという「利便性」。そのほかにも、提携サイトやサービスによる割引や還元などの「キャンペーン」などユーザーにとっての利点は豊富にあるが、一番は「使える店が多いこと」ではないだろうか。
PayPayの加盟店は現在220万カ所以上にもなると発表されている。ファーストフードやコンビニ、ドラッグストアなどのチェーン店はもちろん、現在では個人経営の飲食店のほか、老舗の街の銭湯や和菓子屋などといったところにまで利用網は広がっており、PayPayさえあればスマホ一つで日常生活を送ることが可能なレベルとなっている。
どれだけ便利なサービスでも、使えなくては意味がない。過去多くの新サービスが利用網のハードルで衰退していったことを考えるとPayPayは利用者増のための土壌を耕していけたことが成功の要因だと考えられる。
しかし、一方でこんな声を聞くことも「アプリで加盟店と表示されていたのに、実際は使えなかった…」。どうやらPayPay加盟店とアプリ上で表示されていても、実際は非対応となっている“空登録店舗”が多くあるかもしれないのだ。消費者としてもサービスは使えない、店舗側からしても非対応の旨を説明することで客に不快な思いを与えてしまうというデメリットがあり、両者にとってこの空登録店舗の問題は解決してほしい問題である。
「キャッスレス決済があるから大丈夫」と財布を持たずに気軽に出かけて、支払いができないなんて事態に陥ることは最悪の事態。加盟店情報をしっかりと見極めて、不安があれば本当にキャッシュレス対応なのか一度お店に問い合わせたほうがいいかもしれない。どちらにせよ、何らかの不具合が起きて電車にも乗れない、お店も使えないなんてことになれば「都会の真ん中で遭難」してしまう。完全キャッスレス決済生活には、そんな危険もまだまだ多いかもしれない。
参照元:PayPayの利用率、既にクレカに次ぐ 調査で分かった新事実【日経クロストレンド】
※サムネイル画像(Image:paypay.ne.jp)