近年熾烈なシェア争いを続けているQRコード決済業界。サービス各社とも還元率を競ったり大盤振る舞いの還元キャンペーンを打ったりと、あの手この手で新規ユーザーの獲得を図っている。12月に入ってからも、「楽天ペイ」が地域限定で最大10%還元を受けられるキャンペーンをスタートさせた。
今回は、業界シェアの獲得に本腰を上げ始め、現在は「PayPay」が座る業界最大手の座を虎視眈々と狙う楽天ペイの取り組みについてお伝えしていく。
王者・PayPayは草の根活動で地盤固め
QRコード決済は、2018年頃から世間に周知されはじめた比較的新しいキャッシュレス決済方法だ。国がキャッシュレス決済の利用比率向上に力を入れていることもあり、その恩恵にあずかるべく多くの企業が未開拓だったQRコード決済業界に参入した。
中でも存在感を示しているのはご存知の通りPayPayだ。「100億円あげちゃうキャンペーン」などインパクトのある還元キャンペーンや、他サービスを圧倒する利用可能店舗数を武器に圧倒的なトップシェアを誇っている。さらに2020年8月頃からは全国の自治体とも手を組み、まだまだQRコード決済が普及していないであろう小さな町や村の店舗を対象とした還元キャンペーンを実施。まさに“草の根活動”で王者の座をさらに盤石にしていく構えだ。
一方で今回楽天ペイがキャンペーンを打つのは、東京都や横浜市、札幌市、名古屋市、大阪市、福岡市といった大都市エリアに限定されている。確かに都会であれば、日中そこで働くサラリーマンなども多く需要が多いことは言うまでもない。そうしたエリアで働く・住むユーザーをターゲットとして、一気にシェアを奪い取ろうという算段なのかもしれない。
さらに楽天ペイは5月にICカード決済のひとつ「Suica」との連携もスタートさせ、11月には「近日、楽天ポイントがSuicaチャージに使えるようになります」と発表したばかり。関東で日頃から定期券としてSuicaを利用している人にとっては、その便利さをとてもよく理解してくれるのではないだろうか。
楽天ペイが今回のキャンペーンで都心部のユーザーを掴み、Suicaとの提携によってその利便性を体感させたとなれば、メインの決済方法を楽天ペイに乗り換えるサラリーマンも少なくないのではないだろうか。様々な調査でPayPayが他サービスの倍以上のシェアを獲得しているという結果が出ている現状だが、この12月を境に一発逆転を期する楽天ペイがユーザーをどこまで増やしていけるか。今後の調査報告を待ちたい。
参照元:最大10%還元!楽天ペイで地元のお店応援キャンペーン【楽天ペイ】
※サムネイル画像(Image:pay.rakuten.co.jp)