「QRコード決済」の最大手「PayPay」では、更なる利便性の向上に向けて、新たに12業種でのサービス展開を開始することを発表した。対応サービスは学習塾を始めとした教育関係から、エステや宝くじなどさまざま。今まで以上に利用ケースが広がり、今後に期待が持てる。
今回は加盟店の拡大戦略を推進するPayPayの狙いと、虎視眈々とトップシェアを狙う「楽天ペイ」の独自の戦略について考えていきたい。
新たに12業種での利用が開始!ますます便利になるPayPay
2020年一気に定着を見せ、私たちの生活になくてはならないモノとなったQRコード決済。その中でも業界トップシェアを誇るのがPayPayだ。そんなPayPayでは、今まで、非対応であった12業種での決済サービスの展開を開始することを発表した。今回利用可能となるのは、「学習塾」、「家庭教師」、「語学教室」、「美容医療」、「パソコン教室」、「結婚相手紹介サービス」、「エステ」、「宝くじ・toto」、「競馬」、「競輪」、「競艇」、「オートレース」。支払いはPayPay残高のみに限られ、クレジットカードによる支払いは非対応となるものの、授業料やテキスト代、治療代、くじ・投票券購入代金に、PayPay残高を利用することが可能となる。
今回の加盟店は支払い方法の限定から、「PayPay残高限定加盟店」と新たに名付けられる。すでに2,000件を超える申し込みがあるようで、審査次第順次サービスが開始されるようだ。
一方でPayPayとトップシェア争いを繰り広げているのが楽天ペイだ。加盟店の数で勝るPayPayに対して、楽天ペイはポイント還元の手厚さや、還元キャンペーンの投入による「ポイント戦略」で虎視眈々とトップの座を狙っている。特に注目すべきは「楽天経済圏」という言葉で話題になったように、共通ポイントでつながる連携サービスの豊富さで、倍々式にポイントを獲得できる仕組み作り。自社サービスにユーザーを囲い込むことで、既存ユーザーの「満足度」を上げることに成功している。
高い顧客満足度を誇る楽天ペイだが、いまだにPayPayの牙城(がじょう)は崩し切れていないと言われている。原因は人々が、キャッシュレス決済に求める「本質」によるものではないだろうか。キャッシュレス決済で一番大切なものは「現金同様に使えること」だと考えられる。いかにお得なサービスでも使用機会が限られるようでは真の意味でトップシェアとなることは難しいだろう。目先の満足度に固執することなく、王者として盤石の地位を築くための戦略にPayPayは推進しているのではないだろうか。
「加盟店増加戦略」のPayPayと「ポイント戦略」の楽天ペイ。どちらも独自の戦略でキャッシュレス決済戦国時代を戦っている。しかし、実際の使用ケースの利便性を考えると、まだまだPayPayの地位は揺るがないだろう。
参照元:新たに12業種の加盟店で「PayPay」が利用可能に!【paypay】
※サムネイル画像(Image:slyellow / Shutterstock.com)